コンサドーレ札幌は広島に0-3の完封負けを喫した。公式戦3連敗の計13失点。3戦連続でこぼれ球からのミドルシュートを打ち込まれる同じかたちでの失点が課題に挙げられ、修正が急がれる。4年連続の8強入りへ、厳しい立場となった。

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試合後の会見に臨んだペトロビッチ監督が、席から立ち上がり、身ぶり手ぶりで振り返ったのは、1失点目の場面だった。前半24分、左CKからボールがペナルティーエリア(PA)外にこぼれた。反応した広島MF東のミドルシュートで先制を許した。「PA外から打ったシュートが中に17人くらいいる状況で誰にも触れられずゴールに入るのは、なかなかあることではない。3回連続で起こっている。ついていない時にこういうことが起こりがちだ」となげいた。

立ち上がりから札幌が攻撃のかたちをつくっていた中での失点で、相手に勢いを与えた。公式戦ここ3試合で13失点。その3試合に先発したGK中野も「チームとしてやってはいけない失点」と悔やんだ。

対策はしていた。個々がしっかりマークし、こぼれ球に集中するように言い聞かされていた。だが、こぼれ球の対応を任されていたMF青木は、すぐに攻撃に転じられるように指揮官の指示で敵陣寄りに位置していたため、反応が間に合わなかった。「みんなで話し、今後どうするか決めないといけない。中途半端になってしまった」と青木。課題は明確となった。

敵地での得点数が勝ち上がりを左右するルヴァン杯で、相手に3点を献上した。最低でも3点以上奪わなければならない厳しい条件で11日のアウェーを迎える。決定力不足のチームにとってプラス材料は、右膝手術で離脱していたFW興梠が試合復帰を見据えていること。中野は「顔を上げて前に向かってやっていかないといけない」。誰もまだ諦めていない。【保坂果那】