J2アルビレックス新潟はオフ明けの15日、リーグ折り返し初戦となる19日のホーム・ブラウブリッツ秋田戦に向けて練習を再開させた。リーグ前半戦を12勝6分け3敗の勝ち点42で、首位ターンに成功。14日に5月度のJ2リーグ月間優秀監督賞を初受賞した松橋力蔵監督(53)は、さらに激しさを増すリーグ後半戦を勝ち抜くため「向上」と「トライ」をテーマに掲げた。また、この日は抽選に当選したクラブ後援会会員約30人が練習を見学し、選手らに熱い視線と拍手を送った。

    ◇    ◇    ◇  

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、20年2月26日から自粛していた練習の一般公開をこの日限定で行った。選手たちはクラブハウス隣接ピッチに集まったサポーターの前で久しぶりに汗を流した。松橋監督は「練習前に『外行きのプレーになる選手はいないか?』と冗談で言った。いい雰囲気の中、普段通りの練習ができた」と振り返った。

Jリーグは14日に5月度の月間優秀監督賞を発表。初選出となった松橋監督は「実は…先週の練習後、事前に受賞を知ったゴメス(堀米)を中心に選手たちがサプライズで伝えてくれた。びっくりした。その後の水掛けは断りましたけど(笑い)」。

今季、コーチから監督に昇格。初のプロ監督業ながら多くの選手を大胆に起用し、チームの総合力を高めている。リーグ戦序盤は開幕4戦未勝利(3分け1敗)と厳しい船出となったが徐々に調子を上げ、現在、単独首位に立つ。それでも浮かれるそぶりは一切なし。「勝たないと目標は達成できない。目の前の1戦1戦が重要」と言い切る。

ホームで迎える次戦、19日の秋田戦からリーグ後半戦に突入する。昨季は前半戦で12勝を挙げたが、その同じ相手に後半戦は通算3勝6分け3敗。ペースをつかめずに失速し、昇格を逃した。指揮官は「今以上のトライをしてほしい」とさらなる成長を選手に求める。昨季の失敗を繰り返さないためにも「(2巡目で)対策されることもあると思うが、我々のクオリティーを向上させ、そこを上回っていきたい」と力を込めた。【小林忠】