J2ベガルタ仙台が3位横浜FCに2-3で力負け。後半戦最初の「上位対決」を落とした。0-0の前半5分。相手FWサウロ・ミネイロのスピードに圧倒され、立ち上がりに先制点を献上。後半17分にFW中山仁斗(30)が左足で意地の同点弾をたたき込むも、終盤に2点を奪われて力尽きた。前回対戦(4月17日)でも1-2と敗れたライバルに“連敗”を喫し、J1自動昇格圏の2位から3位へと転落。次節は25日、ホームで5位モンテディオ山形との「東北ダービー」に臨む。

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2位仙台が「J1昇格」の行方を占う、後半戦最初の「上位決戦」を落とした。1点のビハインド。最後の最後まで諦めない姿勢を貫いたが、試合終了のホイッスルが無情にも鳴り響いた。熱気に包まれたホーム・ユアスタとは対照的な結果に、原崎政人監督(47)は悔しそうな表情を浮かべ唇をかんだ。「失点が多い。やってきたことを、もっとつきつめてやっていくしかない」と振り返った。後半44分にMFフォギーニョ(30)のゴールで1点差に迫るも、あと1歩及ばず。ホームで絶対に負けられない一戦だっただけに、手痛い1敗を喫した。

出ばなをくじかれた。前半5分。相手ミネイロが猛スピードでゴール前へ攻め込む。DF吉野恭平(27)が体をぶつけたが止められない。最後はGKストイシッチ(24)が1対1に敗れ、試合序盤に先制点を奪われると、前半は嫌な流れを断ち切れなかった。反撃に出た攻撃陣が決定機を逃し続けた。同30分、DF真瀬拓海(24)が右クロスを供給するもFW富樫敬真(28)が捉えきれず。好機を何度も演出したが、最後の精度がかみ合わなかった。指揮官は「積極的に前を取りにいくことはやってくれたけど、決定率が悪かった」と肩を落とした。

一時はスタジアム全体が熱狂の渦に包まれた。1点ビハインドの後半17分。MF気田亮真(24)の放ったシュートのこぼれ球に中山が反応した。最後は左足で倒れ込みながら、執念でゴールへねじ込んだ。だが、同29分、同33分と立て続けに失点。押せ押せムードが一気に暗転した。中山は「勝ち点3につながる得点ではなかった。悔しい」と言葉を振り絞った。

今季はここまで22試合を消化し、12勝6敗4分け。勝ち点「40」で上位争いを繰り広げる。次節は25日、ホームで山形を迎え撃つ。下を向いてはいられない。顔を上げ、「J1復帰」の道のりを力強く突き進む。【佐藤究】