アルビレックス新潟は敵地でレノファ山口を3-1で下し、首位を奪還した。前半45分、FW鈴木孝司(32)がMF星雄次(29)の左クロスから先制点を決めた。

鈴木は後半5分には左CKから追加点を決めると、後半28分にはMF伊藤涼太郎(24)のダメ押し点を演出するアシスト。8日に欧州クラブへの完全移籍が発表されてチームを離れた本間至恩(21)に加え、MF三戸舜介(19)DF千葉和彦(37)FW谷口海斗(26)らがベンチから外れたが総合力を見せつけた。

勝利をもたらしたのはベテランの2ゴールだった。まずは前半45分。ゴール前に走り込んだ鈴木は星からの左クロスに滑り込み、先制点をゲット。1-0の後半5分には左CKからのこぼれ球に反応し、追加点を挙げた。5月15日のアウェー町田戦以来となるゴールで、複数得点は今季初だった。

前節6日のホーム千葉戦(1-2)から先発3人を入れ替えた。欧州への完全移籍でチームを離れた本間の左MFには伊藤が入った。その伊藤はサイドに張るだけでなく、柔軟に立ち位置を変えながらチャンスに加わる。スコア2-0の後半28分には鈴木の右クロスに飛び込み、今季5点目を決めてみせた。

2試合連続で欠場となったセンターバック千葉の位置にはDF早川史哉(28)が入り、DF舞行龍ジェームズ(33)とコンビを組んだ。最終盤にセットプレーから失点したが、90分間、体を張って相手FWの自由を奪った。

攻撃に重きを置くチーム同士の対戦。松橋力蔵監督(53)は試合前、「どちらが多くゴール前に入っていけるか」を勝利のポイントとして挙げていた。指揮官と選手の思いは合致。敵地でもボール支配率を上げ、質の高いプレーを連続させながらゴールを襲った。

新潟はこの日、徳島と1-1で引き分けた横浜FCと勝ち点51で並び、得失点差で上回って首位に返り咲いた。昇格に向けて連敗が許されない中、ここまで5得点6アシストで攻撃をけん引してきた本間が抜けたが、総合力を示したチームは敵地でしっかりと勝ち点3を上積みした。