セレッソ大阪が、ホームで辛うじて引き分けに持ち込んだ。

1点を追う後半44分。DF山中が相手DFラインとGKの間へ、鋭いクロスを出す。川崎フロンターレのDF谷口と駆け引きをしつつ、絶妙のタイミングでDFの裏に飛び出した途中出場のFWタガートが右足で押し込んだ。角度によってはオフサイドにも見える、紙一重の絶妙のタイミングだった。

途中から雨が降り、蒸し暑いホーム。両チームともに体力は限界に近い。C大阪はアウェーゴールを許しながらも最後まで諦めない姿勢を見せた。

貴重な同点弾を決めたオーストラリア出身FWは「リョースケ(山中)はいつも素晴らしいクロスをくれる。信じて上がった。リスクを負っても飛び出さないといけなかったからね。(DFとの)駆け引きは好き。それがオンサイドなら、素晴らしいゴールにつながるから」と満足そうに語った。

試合前の抗原検査で小菊昭雄監督が陽性判定を受け、急きょベンチ入りを外れる緊急事態だった。

代行で指揮を執った高橋大輔コーチは「こういう状況下なので(指揮を執る)シミュレーションはしていました」という。

前半から優位に試合を進めながらも最後の崩しに課題を残し、終了間際まで苦しんだ。同コーチは「理想はアウェーゴールを与えずに勝つことだった。悔しい気持ちはある」としながらも「(選手は)最後まで点を取るために走った。『もう1点行くぞ』というのも共有されていました」と明かした。

この日は両ゴール裏席のみ声出し応援が可能だった。準優勝した昨季に続く4強へ。

ホームの大声援に後押しされ、勝利が欲しかったというのが本音だろう。

C大阪にとっては、第2戦(10日、アウェー)につながる最低限のドローだった。