セレッソ大阪の高橋大輔コーチ(38)が、10日の川崎フロンターレとのルヴァン杯準々決勝第2戦(等々力)で、3試合連続で代行指揮を執る予定だ。

新型コロナの陽性判定を受けた小菊昭雄監督(47)に代わり、3日のルヴァン杯川崎F戦(1△1)、6日のJ1リーグ・ヴィッセル神戸戦(3○0)に続く指揮となる。今回は5年ぶりの優勝が懸かるルヴァン杯のベスト4進出か、敗退かが決まるシビアな一戦になる。

9日の練習後、オンラインで取材対応した高橋コーチは「チームは得点を取れているので継続してやっていく中で、違った部分が勝敗を左右すると思っている。しっかり、強い気持ちで臨みたい」と、選手に精神面の強さを求めた。

C大阪は5月下旬以降、公式戦12勝4分け1敗と圧倒的な成績を残し、リーグ戦は現在3位まで浮上。6試合連続複数得点を挙げ、総得点は首位横浜F・マリノスの51得点に続く、リーグ2位の39得点だ。

高橋コーチは「(7日のJ1リーグ)川崎Fと横浜の試合を見て、川崎Fのすごい力、湧き出てくる思いが出ていた試合を見て、より我々もいつも通りだが、強く気持ちをもってやらないといけない」と説明。第1戦が引き分けのため、1-0の勝利でも突破が決まるが、現在のC大阪は打ち合いでも応戦可能だ。

口数は決して多くはない高橋コーチは、C大阪での現役時代、闘志あふれる右サイドバックで活躍した。

11年5月、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)決勝トーナメント1回戦で実現した大阪ダービー。当時27歳の伏兵は、試合終了間際に決勝ゴールを挙げ、クラブ初のベスト8へと導いた。今でもサポーターの間では、伝説のゴールと語り継がれている。

10年バンクーバー・オリンピック(五輪)で銅メダルを獲得した、人気フィギュアスケート選手と同姓同名で、大きな話題にもなった。当時、本人が「病院で高橋大輔さ~んと名前を呼ばれ、一斉に振り向かれ、別人であることにがっかりされた」という、極上のエピソードを明かしたこともある。

小菊監督に期待され、今季5年ぶりのC大阪での指導者復帰となった高橋コーチが、監督不在の難局にチームの先頭に立ち、まずはベスト4へたどり着く。

◆高橋大輔(たかはし・だいすけ)1983年(昭58)9月18日、福岡・八女市生まれ。柳川、福岡大を経てFWとして大分トリニータ入団。途中で右MFに転向し、10年C大阪移籍。12年限りで引退(発表は13年7月)し、J1通算164試合24得点。その後はC大阪や福岡大でコーチを歴任し、今季からC大阪コーチに復帰。178センチ、77キロ。