鹿島アントラーズの岩政大樹監督(40)が13日、監督初陣となるアビスパ福岡戦(14日、カシマスタジアム)を前にオンライン取材に応じ、選手の個性を生かす新・鹿島のサッカーに意欲を見せた。バイラー前監督の入国前に開幕から5試合、監督代行として指揮を執ったが、監督としては福岡戦が初めてとなる。「皆さんの期待と不安の中で始まる試合。その不安を払拭(ふっしょく)して期待が大きくなるような試合をしたい」と意気込みを口にした。

岩政監督のサッカーの根幹は、選手の個性を生かすこと。「この選手を起用するためにはこういうやり方、相手に致命傷を与えるためにはこの選手など、いろんな戦略で準備するのは僕なりの現代サッカーの特長だと思っている。相手によって起用選手、やり方も変わる」と話す。その上で、各選手がサッカーをしながら「これができたとき、楽しかった」と思えるような指導を心掛けているという。

ここ数年は川崎フロンターレ、横浜F・マリノスにタイトルを奪われているが、日々の練習で再び常勝の称号を取り戻す作業を進めている。「僕たちが強くなるため、新しい鹿島が、今の川崎、横浜に後れを取っていることを取り戻して日本一に戻るためにどういう絵を共有すればいいかは対福岡にそのまま当てはまるということでやっている。自分たちの形、精度を挙げつつ、これを福岡に当てはめればこうなると準備をしている」と明かした。

バイラー前監督の時に薄れかけていた、守から攻、攻から守の流れも今週のトレーニングで確認した。福岡戦で、選手起用、試合の進め方も含めどんな岩政流が発揮されるか。新・鹿島の第1歩がスタートする。