元日本代表FWの工藤壮人さんが所属したJ3宮崎は藤枝と1-1で引き分けた。前日21日に32歳で急逝した工藤さんに勝利をささげるため奮闘。今季初の3連勝はならなかったが、2位と好調の藤枝から勝ち点1を獲得した。

宮崎の選手は工藤さんの背番号「9」のシャツを着て入場。その胸には「#ありがとうクドー」。「ありがとう」の部分は白いテープを貼って手書きで修正されていた。キックオフ前には黙とうがささげられ、会場には「工藤壮人 アレ壮人 9 俺たちと共に行こう KUDO」の横断幕が掲げられた。両チームとも喪章をつけてプレーした。

試合序盤から4連勝中でリーグ2位と好調の藤枝に攻め込まれた。それでも、前半9分と16分に相手の決定的なシュートをGK石井健太(34)が防ぐなどチーム全員で粘り強い守備を見せた。だが、同39分に最終ラインの背後を突かれて失点した。

高崎康嗣監督(52)はハーフタイムに「最後まで戦い抜こう」とゲキ。チームは後半開始から攻勢を強め、0-1の後半5分に右からのクロスをFW橋本啓吾(24)が頭で合わせて同点に追いついた。その後も最後まで逆転勝利を目指して走り続けたが、そのまま1-1で引き分けた。

同点ゴールを決めた橋本は「前半は押し込まれる中、後半は自分たちのチャンスが多くて、絶対に(工藤さんに)勝利を届けたいという気持ちでやってきた。そこはもう1度、宮崎に帰ってしっかり取り組んでいきたい」と話した。