モンテディオ山形が逆転でJ1参入プレーオフ(PO)進出を決めた。ホームで徳島ヴォルティスに3-0で快勝。順位を8位から6位にジャンプアップさせ、PO圏内へ4カ月ぶりに浮上した。FWディサロ燦シルヴァーノ(26)が2ゴールを挙げ、MFチアゴ・アウベス(26)もPKで得点。5戦無敗で最終節を締めた。同じ6位から下克上を成し遂げた14年以来8年ぶりのJ1昇格を目指し、30日に3位ファジアーノ岡山とアウェーでPO1回戦を戦う。

山形がJ1参入PO最後の椅子となる6位に滑り込んだ。試合前は6位徳島、7位仙台に続く8位。一気に2チームを抜き去った。PO進出には勝利した上で、仙台の引き分け以下が必須。3-0で試合終了を迎え、仙台のスコアレスドローを確認したベンチの選手、スタッフは肩を組んで歓喜した。2ゴールで勝利に導いたディサロは「人生でこんなことを経験できることはなかなかない。運を味方にして最高の気分です」と笑みを浮かべた。

山形が早々と試合を動かした。前半15分、MF山田康太(23)が前線からプレッシャーをかけ、相手GKのパスをカットしたMF藤田息吹(31)が、ダイレクトで前線へ。そのボールを受けたディサロが、左足で豪快なミドルシュートを突き刺した。「チーム全体の守備の良さのおかげもあり、シュートはうまく四隅をつけた」。さらに、相手DFが2度目の警告で同20分に退場。数的優位を生かし、その後も攻め続けた。

待望の追加点だ。1-0の後半13分、右サイドの連係から相手を完璧に崩す。DF半田陸(20)のパスに抜けだした藤田が、グラウンダーのクロス。最後は中央のディサロが左足で合わせた。「チームのやり方、この1年間積み重ねてきたものを出せた。2点ともモンテディオ山形らしいゴールだった」と力を込めた。

8年ぶりのJ1昇格へ3連勝が絶対条件だ。PO初戦で戦う岡山とは今季2戦2敗。ディサロは「明らかにこっちの方が勢いがあるし、必ず勝つので問題ない」。一時は19位まで転落するなど好不調の波が激しいシーズンだった。「ここからは今までの戦い方や波は関係ない。一番勢いのある僕たちが一番有利だと思う」。ここ5戦で4ゴール。「チームが勝つために点を取るだけ」。得点試合で5勝1分けと不敗神話が続くディサロが、下克上のキーマンになる。【山田愛斗】