日本プロサッカー選手会(JPFA)が28日、栃木県内でトライアウトを実施した。

Jリーグのクラブを中心に、退団する選手を対象としたシーズンオフの恒例行事。各クラブの強化担当が見詰める中、午前の部では38人が、新天地を見つけるために、紅白戦などでアピールした。

FW佐藤晃大(36=徳島ヴォルティス)はこの日のトライアウト参加者の最年長。09年に東海大からJ2徳島に加入し、プロ生活をスタートさせた。12年にはガンバ大阪で11得点を挙げるなど実績を重ねてきた。15年に再び徳島に戻り、今季は7試合(出場時間107分)0得点に終わっていた。

佐藤は「年齢的にも難しいことは分かっていますが、受けないと後悔するかなと。妻とも相談して、最後にやれるだけやってみようという思いで受けました」とトライアウト参加の理由を話す。現役続行の思いは強く、カテゴリーを問わずサッカーを続けたい気持ちがある一方で、家族がいる現実にも向き合わなければならない。

「やれる気持ちは常に持っています。家族もいるし、条件面ではいろいろ縛られてくると思いますが、こういう機会でいろいろな方が見てくれている。いろんな話が聞けたらいいなとトライしました」と話した。

今季のJ2の最終節は10月23日だった。シーズン終了後、約1カ月空き、コンディション面の不安があったが、若手やフィジカルコーチと一緒に自主トレを続けてきた。3人の子どもがおり、第1子の長女は小学校1年生。トライアウトに出発する前、長女から「パパ、合格するの? 不合格なの?」と聞かれたという。「分からない」と苦笑して答えたそうだが、来季もわが子の前でプレーする姿を見せる覚悟だ。