清水ユースは1-4でC大阪U-18に敗れ、11位で来季のプリンスリーグ東海への降格が決まった。勝てば、残留に望みがつながる一戦は前半に先制するも、同点で迎えた後半に3失点。今季の課題だった守備が崩れ、力尽きた。プレミアリーグ参戦12年目で初の陥落。今季は兄貴分のトップチームも来季のJ2降格が決まっており、「兄弟ダブル降格」とクラブにとって屈辱的なシーズンになった。

勝てばよかった試合でも今季の課題を露呈した。清水ユースは1-1で迎えた後半に前掛かりになった背後を突かれた。後半ロスタイムに4失点目。選手らは反撃する気力を失い、うなだれた。無情の笛が鳴ると、エースの斉藤柚樹(3年)はうずくまりしばらく立ち上がれなかった。待っていたのは受け入れがたい現実。主将のFW成沢夢行(ゆあん、3年)は「チームをまとめきれなかった。責任を感じる」と涙した。

今季はクラブOBのレジェンドでもある沢登正朗監督(52)が就任。古巣に復帰した指揮官の手腕が注目された。だが、リーグ開幕前の2月から課題は浮き彫りになっていた。同監督は「簡単に失点してしまうことが多い」。練習試合などで大量失点することも多く、不安を拭い切れないまま開幕を迎えた。

開幕2試合はロスタイムに決勝点を許し、連敗スタート。ケガ人やコロナ禍で練習ができないアクシデントも重なり、チームの強化が進まなかった。成沢は「途中でシステムを変えたりしたけれど、最後まで修正できなかった」。今季はリーグワースト2位の50失点。無失点試合は22試合でわずか1度だけだった。

沢登監督は「今年はトップも降格してしまった。課題を修正できなかったのは私の責任」と頭を下げた。それでも、試合後は気丈に振る舞い、戦い抜いた選手らにねぎらいの言葉をかけた。「ここでサッカー人生が終わるわけではない。1年で戻ってくることが我々の使命になる」。

トップチームは2度目のJ2降格。ユースも2011年から守り続けてきたプレミアリーグの座を初めて失った。今季主力に成長したMF矢田龍之介(1年)は「来年は自分が引っ張っていく」と顔を上げた。来季は清水の「クラブ力」が問われる1年になる。【神谷亮磨】