J1ヴィッセル神戸の吉田孝行監督(45)が、FIFAワールドカップ(W杯)カタール大会からヒントを得た。

6日、神戸・いぶきの森練習場で始動した。同監督は昨年末のW杯を「ほぼリアルタイムで見ていました。寝るのが朝6時という習慣になっていた」と苦笑しつつも「時代は変わっている。世界の主流はプレスとか、激しさになっている。5年前のサッカーをしていると、置いて行かれる」と刺激を受けた様子だった。

特徴的な戦い方として「今はポゼッションをさせない守備をしている」と説明。日本と同組で、優勝候補とされながら決勝トーナメント初戦でモロッコに敗れたスペインを例に出しつつ「(対戦相手が)スペインにポゼッションをさせない。あれで(スペインが)こだわると、やられてしまう」と分析した。さらに「1人、1人の寄せのスピード。今はそれがベースにある。ここ数年でサッカーが変わっている」との見方を示した。

とはいえ、この日の始動は家庭の事情で不在だった元スペイン代表MFイニエスタはポゼッションサッカーの象徴のような存在でもある。それを問われると、吉田監督はこう答えた。

「アンドレス(イニエスタ)は変化を加えられる。それはそれで我々の武器。一番難しいゴール前の崩しができる選手ですから、頼もしい」

昨年末に結婚したDF飯野七聖も「(W杯4強の)モロッコは全員が強度を持って90分を通じて上下動していた。特にハキミ(DF=パリ・サンジェルマン)は目指しているサイドバックの最高峰のイメージでした」と話した。

神戸は昨季、残留争いに巻き込まれJ1で13位。

世界の流れとイニエスタを融合させつつ、今季は優勝争い参戦を目指す。