岡山学芸館が接戦を制し、2大会連続5度目の出場で悲願の初優勝を飾った。過去最高はベスト16だったが、一気に頂点に駆け上がった。岡山県勢としても初の日本一。

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初優勝の裏には高原監督の恩師、名将のカツがあった。

東海大福岡高(旧東海大五高)を全国の強豪に育てた平清孝氏(68)が昨年4月、ゼネラル・アドバイザー(GA)に就任した。選手権で国立を経験している平氏は国立での準決勝、神村学園戦の前日、浮ついてだらだら練習しているように映ったイレブンの姿に「これでは勝てない」と感じた。それまでは「優しいおじちゃん」として選手に接してきたが、初めて「このまま(岡山に)帰れ。試合をする必要はない」と鬼の形相でカツ。「初めて怒って、自分にとっても賭けでした」。そのひと言もあってのV。優勝の瞬間は高原監督と涙の抱擁。「最高ですね。まさかこんなことが起きるなんて、自分でもビックリしています」と万感の思いを口にした。