北海道コンサドーレ札幌が11日、沖縄・金武町でキャンプを本格スタートさせた。

練習初日、リハビリ中の2選手をのぞく全員が元気に参加した。就任6年目のペトロビッチ監督(65)は1次キャンプのテーマに「Laufen(走る)」を掲げた。昨年W杯カタール大会で躍進した日本代表に続き、Jリーグでの旋風を狙うためにも、土台作りに取り組む。

 

ペトロビッチ監督は、うれしそうに選手の動きを確認した。前日10日は飛行機の整備による出発遅延があり、札幌市内のクラブハウス出発から沖縄の宿舎到着まで約12時間の長旅となった。一夜明け、疲労を見せずスタートを切った選手たち。その姿に「今年はオフの期間が長かったので、選手も準備はしてきたと思うが、みんながどれだけ動けているのかをしっかり日々チェックしながらやっていきたい」と話した。

オフにはW杯カタール大会で森保ジャパンがドイツやスペインを破った。自身は主にオーストリアで過ごしていたが、日本国内での盛り上がりを知っている。「日本代表が活躍すること、いい戦いを見せることが、日本の中で一番の宣伝になる」と、うれしそうな様子。「今まで以上に勇気を持った戦いを見せたと思うし、アグレッシブにボールを奪いにいき、得点するところを見せられたのでは」と評価した。

サッカー人気のさらなる高まりを願う。「今年、我々Jリーグの方でもしっかりアグレッシブな戦いを見せることでよりサッカー界を盛り上げていけたら」と士気を高める。札幌も躍進を狙う。

キャンプは、そのための準備期間。2月4日までの沖縄での1次キャンプのテーマを聞かれると、ドイツ語で「Laufen Laufen Laufen」と繰り返した。「走って走って走ること」を選手に求める。「ベースである走ることができれば、その上にいろんなものを積み上げられる。シーズンを通して安定的に戦うための走力をここでつくっていきたい」と掲げた。

まずは23年の順調な滑り出しを喜ぶ。21年は自身の左大腿(だいたい)骨骨折によってキャンプ合流が遅れた。昨季はチーム内の新型コロナウイルス陽性判定者多数によって、少人数での分散練習からスタートした。直近2年の苦難のキャンプインは、シーズンの戦いへの影響もあったと考えている。だからこそ「しっかり結果を出していきたい」と意気込む札幌での6年目。開幕に向けて万全の準備を整える。【保坂果那】