アルビレックス新潟は6年ぶりに挑むJ1での戦いに向け、高知・春野キャンプは定位置を狙う選手の競争が激化してきた。大卒2年目のMFシマブク・カズヨシ(23)は、C大阪との開幕戦(18日、ヨドコウ)での先発出場を目標に、相手の逆を突くドリブルと得点力を猛アピールする。今季初実戦となったJ3今治戦(1月25日)からの練習試合3戦で3得点を決める。うまさに「怖さ」が加わってきたアタッカーが新潟をより強くする。

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プロ2年目を「覚醒の年」にする。相手との駆け引きを楽しむようなドリブルから決定機を作り出すシマブクが高知キャンプで猛アピールを続けている。今季初実戦となった1月25日の今治戦は左MFで出場し、1得点。続く29日の四国選抜(大学生)戦はトップ下で2得点を挙げた。3戦目の2月1日のJ2秋田戦は無得点に終わったがゴールに直結するプレーを繰り返している。「アピールするには結果を出すしかない。目の前に相手が1、2人いてもチャンスと思ったら強気に仕掛けたい」と気合を込める。

昨季はJ2リーグ12試合に出場。第22節秋田戦でプロ初ゴール初アシストをマークしたが、昇格争いが激しくなった終盤戦以降は思うように試合に絡むことができず、壁にぶつかった。「自信を失いかけ、思い切りプレーできていなかった」と振り返る。だが、今季はキャンプから迷いはない。自信に満ちた表情でピッチに入る。「自分は仕掛けてなんぼ。長所を磨きたい」とドリブルへのこだわりをより強めている。

得意とするポジションは左MFだが、昨シーズン取り組んだ右MF、トップ下でも勝負する。「ぎこちなさは感じない。プレーの幅も広がる」と前向き。与えられた位置で適応し、結果を求めていくつもりだ。中盤の定位置争いは熾烈(しれつ)だが「攻守で日々、成長できるように常に自分と向き合ってやっていく」と話す。

出身の新潟医療福祉大が大学選手権(元日、決勝)で、北信越勢初の準優勝に輝き、刺激を受けた。「次は自分の番。J1で活躍、勝利に貢献し、日本中に大学の名をさらに広めたい」。後輩たちの活躍も力に、J1での飛躍につなげる。【小林忠】