アルビレックス新潟在籍4年目のMF島田譲(32)が高知・春野の晴天の下でJ1リーグ開幕(18日)に向けて準備を進めている。1月17日から始まったキャンプも残り1週間。今季も中盤の底からゲームをコントロールする経験豊富なベテランは「心技体」で順調な調整ぶりを見せている。チームは今日5日、高知キャンプ最後となる練習試合4戦目(非公開)を行う予定で仕上げ段階に入る。

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「逃がすな!」。今季も島田の激しい声がピッチに響き渡る。新潟は6年ぶりに挑むJ1での戦いに向け、キャンプ地の高知で強度の高い練習を続けている。スタートから約3週間。疲労がたまってくる頃だが、主軸としての責任感がベテランの体を動かす。「頭も体もいい感じで動いている。ハードな2部練習が続くが、これがキャンプ。充実している」と笑顔を見せる。

新型コロナウイルスがチーム内で拡大した昨季は活動が一時、休止となるなどで、この時期は急ピッチでコンディション、戦術を仕上げた。だが今季は入念に準備を進められている。ここまでの練習試合3戦を「自分たちのサッカーで圧倒できる時間が多い」と振り返る。一方、1日のJ2秋田との練習試合に1-2で敗れたことには「うちが負けるときのパターンだった。攻撃面で(ピッチの)幅を生かせれば良かった」と反省点を挙げる。それでも、「実戦を通して戦術のすり合わせはできている」と、この時期の敗戦を前向きにとらえている。

左足から繰り出す正確なパスで攻撃のスイッチを入れ、守備では鬼気迫る表情で対峙(たいじ)する相手にプレスをかけて、自由を奪う。セットプレーではキッカーを務めるなど「攻守」で欠かせない存在だ。島田にとってJ1でのプレーは長崎に在籍した18年シーズン以来、5年ぶりとなる。

「小さい頃に憧れていた舞台に再び立てることが楽しみ。チームのスタイルも自分にも自信も持って臨む」

チーム、そして自身の本領を発揮するために、開幕を見据える眼光の鋭さが増してきた。【小林忠】