今季からJリーグ初参入の奈良クラブが、ホームで元J1の松本に0-2と完敗した。奈良県初となるJクラブの歴史的一戦に、観客4808人が集まるなど会場は熱気に包まれた。元日本代表FW中山雅史新監督(55)が率いる沼津は、讃岐に0-1で敗れて黒星発進となった。

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開幕戦に完敗した奈良のスペイン人、フリアン監督は33歳8カ月20日でこの日の指揮を執り、Jリーグ史上最年少監督の誕生となった。19年にJ3のYS横浜を指揮したシュタルフ当時監督の34歳7カ月6日を更新したが「最年少で勝った監督になりたい。満足していない」と悔しがった。

昨季のJFLで優勝して悲願のJリーグ昇格。奈良市にある本拠地ロートF(鴻ノ池陸上競技場)での歴史的開幕戦で、浜田社長は「とうとう、奈良にJリーグがやって来ました」と観客にあいさつ。昨年動員した1万4202人は超えられなかったものの、約3000枚の前売りを含め、当日も客足が伸びて5000人近い集客に成功した。

元日本代表の敏史さん(61)を父に持つ、31歳のDF都並は「奈良県初の舞台で、全員が前向きに挑めた」と胸を張る。クラブ創設33年目の春、新たな歴史へスタートを切った。

◆今季のJ3 今季は奈良とFC大阪が昇格し、全20クラブによる2回戦総当たりで行われる。J2ライセンスを保持し、上位2チームに入ればJ2に昇格。昨季はいわき、藤枝がJ2に昇格し、3位だった鹿児島や4位の松本を軸にした上位争いが予想される。