J1アルビレックス新潟は18日、アウェーで浦和レッズと対戦する。相手の逆を突くトリッキーなトラップや視野の広さを生かしたラストパスで攻撃をけん引する。ゴール前での決定力にも磨きがかかる伊藤涼太郎(25)は日々、アップデートを繰り返す。開幕からここまでチームの全7得点に関与する絶好調の司令塔が岡山・作陽高を卒業した16年にプロ生活をスタートさせた古巣から3試合連続ゴールを奪い、新潟をJ1復帰後初の2連勝に導く。

多彩なアイデアを持つ司令塔がゴールをこじ開ける。18日浦和戦に向け、チームは聖籠町で練習で備える。攻撃の中心にいる伊藤はミニゲームでもシャープな動きを見せ、好調をアピール。古巣戦は3試合連続ゴールが懸かるが「浦和戦だからではなく、毎試合ゴールの意識はある。いつも通り、いいモチベーションで臨む」と目力を強くする。

前節11日のホーム川崎F戦は前半22分にミドルシュートを決め、1-0勝利に導いた。前半17分と後半6分には右サイドを抜け出したMF太田にスルーパスを通し決定機を演出。惜しいループシュートを2本放つなど90分間、2万6000人を超す観客を沸かせた。ただ「(ループは)蹴った瞬間に外れると思った」と冷静に振り返った。クロスバーを直撃した後半のFKにも「一番得意な距離とコース。もっと練習しないと」と満足はしていない。

J1のプレスをかいくぐり、攻撃をけん引する。開幕から2勝2分けとJ1で唯一、4戦黒星のない新潟の全7得点に関与する。「何個かアイデアを持たないと。今は選択肢の数で相手を上回れている」。この日発表された日本代表の初招集はなかったが「新潟でいい結果を残し続ける。その先に(招集が)あれば」と言う。「目の前の最強の敵」に勝つことだけに集中している。

作陽高を卒業した16年にプロ生活をスタートさせた古巣・浦和との対戦。「6年間在籍してお世話になったし、プロの厳しさを教えてくれたチーム。新潟に来てからの成長を示したい」。切れ味鋭く、ゴールに迫る。【小林忠】