清水エスパルスはホームで群馬に1-3で敗れ、今季初黒星を喫した。FWディサロ燦シルヴァーノ(27)のゴールで一時は同点とするも、引いて守る相手を崩せず、守備は今季最多の3失点。変化のない単調な攻撃に終始したチームは開幕から泥沼の6戦勝ちなし(5分け1敗)で18位に転落した。

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恐れていた展開になった。清水は前半開始からボールを保持。パスをつなぎながらチャンスをうかがうも、効果的な攻撃が出せなかった。攻めあぐねると、同25分にセットプレーから先制点を献上。引いてブロックを作る相手に少ないチャンスを決められた。

ゼ・リカルド監督(52)は「(群馬は)相手の良さを消すことにたけている」。警戒していた術中にまんまとはまり、0-1。同29分、FWディサロが左クロスのこぼれ球を押し込み同点ゴールを挙げるも、逆転への期待感は一瞬でしぼんだ。3分後には自陣右サイドを崩され、再び失点。その後はサイド一辺倒の単調な攻撃をはね返され、1点ビハインドで前半を折り返した。

巻き返しへ変化が求められた後半もメンバーは同じ。攻撃のテンポも変わらず、同8分に痛恨の3失点目を喫した。追い込まれてから指揮官は攻撃的な選手を次々と投入。後手の采配も全く効果はなかった。

チームは開幕から5戦連続ドロー。勝ちきれない中で迎えた一戦で痛すぎる敗戦を喫した。リーグ屈指の戦力を誇ったチームはJ1昇格の有力候補に挙げられながらも、今季はいまだ未勝利。目標とは程遠い18位に転落し、J3自動降格圏(21位以下)も背中に迫ってきている危機的状況だ。 この日は終了の笛を待たずに席を立ったサポーターも多く、終盤で戦意を失った選手にはブーイングが浴びせられた。勝てなくても応援するサポーターの我慢も限界に近づいてきている。【神谷亮磨】