先輩、真っ向勝負で勝たせていただきます! 

J1・8位のアルビレックス新潟は1日、ホームで2位名古屋グランパスと対戦する。松橋力蔵監督(54)にとって敵将・長谷川健太監督(57)は日本サッカーリーグ時代の日産自動車(現J1横浜)でともにプレーした元チームメート。今季開幕から5試合で1失点と鉄壁の守備を見せる長谷川采配と、攻撃的サッカー采配の激突ともなる。現役時代に同じユニホームを着た先輩後輩がJ1の舞台で指揮官同士で対決する時が来た。

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「攻の松橋新潟」VS「守の長谷川名古屋」が激しくぶつかる。3月31日、試合前日会見に臨んだ松橋監督は「(長谷川)健太さんと監督という立場で対戦するとは夢にも思っていなかった。ありがたいし、光栄だが、胸を借りると言うことよりも自分のチームを信じ、真っ向勝負していきたい」と決意を示した。

長谷川監督とは日本サッカーリーグの89-90年、90-91年の2シーズン、日産自動車でプレーした。同じ寮に住んでいたこともあり、夜中の2時にたたき起こされて「リキ(松橋監督)、『ラーメン食いに行くぞ』と言われて一緒に行ったことがあった」と当時のエピソードを明かし、「本当は腹が減ってなかったが、大先輩には逆らえない(笑い)。減ってます!とついて行きました。言えない話はいっぱいあります」と報道陣の爆笑を誘った。

監督として挑むJ1初舞台でも攻撃サッカーを貫く。チームは開幕5戦を終えて8得点をマークし、無得点試合はゼロ。2勝2分け1敗と好調な滑り出しを見せている。対する名古屋は3勝1分け1敗で2位。総失点はリーグ最少の1と堅守を誇る。5バック気味の守備ブロックを敷く名古屋の攻略は簡単ではないが、ボール保持率を高めながら、ゴールへの進入ルートを奪うつもりだ。「中央にスペースがないと見せられても割って入っていくことにトライする」と攻撃姿勢を崩さない。

異なるサッカースタイルを志向する指揮官との対戦。「普段から取り組んでいることを出す。そこに相手の個の特長やウイークな部分は選手に情報として与えてます」とニヤリ。現役時代にピッチ内外で世話になった先輩に、勝利で“恩返し”する。【小林忠】

○…開幕からリーグ戦5試合連続でゴールを守っていたGK小島亨介(26)がこの日の練習中に、“離脱”した。名古屋戦は3月26日のルヴァン杯鹿島戦(1-0)で好セーブを連発したGK阿部航斗(25)が先発出場する見込み。松橋監督は「初期段階で対応をした方がいい。本人は試合に出たかったと思うが正直に申し出てくれた。阿部を含めてGK陣はいい状態。問題ない」と話した。