新潟経営大の女子サッカー部が今春創部し、1期生22人が本格的に活動を始めた。県内大学の女子チームは新潟医療福祉大、新潟大に続き3チーム目。公式戦デビューは5月開幕の県リーグの予定だ。1年目の目標は県リーグ制覇とインカレ出場に定めている。

コンタクトなパス交換で、新潟経営大メンバーは互いを顔と名前を覚えるために意識して名前を呼び合う。3日からチーム練習が始まり、まだ手探りながら少しずつチームの骨格ができてきた。4月中に県内の高校との練習試合を予定。稲葉旬監督(30)は「勝敗ではなく、今の自分たちの立ち位置を確認する」と着実に歩みを進めるつもりだ。

11日に選手22人で3時間に及ぶミーティングを行った。スローガンは「みんなから愛されるチーム」に決定。今年の目標を県リーグ優勝とインカレ出場に定め、4年間で目指すは「日本一」。ほかにもあいさつの徹底、オンとオフの切り替えなど心構えや部のルールも決めた。今年1月の全日本高校女子選手権で2回戦に進出した日本航空(山梨)のFW九鬼ゆらは「1期生なので部の歴史をつくることに挑戦できる」と創設メンバーの自覚を話す。

それぞれ、新天地にかける思いもある。選手権で優勝した藤枝順心(静岡)のGK桜井夢栞(みかん)は「試合に出たい。もう少し頑張ろうと思った」。故障で選手権はベンチ登録から外れ、悔いが残った。帝京長岡出身のMF吉原かなも昨秋に右ふくらはぎを痛め、選手権ではベンチ外で「地元の新潟で結果を残す」と誓う。個人的に注目される実績を持つ選手はいない。その分、高校で発揮し切れなかった力を大学で出し切ろうという意思を持つメンバーが集まった。

稲葉監督は「球際で戦う、最後まで走りきるなど、戦えるチームを目指す」と言う。そして「このメンバーが4年生になった時には全国で当たり前に勝負できるようにしたい」。すべての土台になる1年目が始まった。【斎藤慎一郎】

◆新潟経営大学 94年4月設立。観光経営学科、スポーツマネジメント学科、経営情報学科がある。創設22年目の男子サッカー部は総理大臣杯7度出場(07年ベスト8)、全日本大学選手権4度出場(13年ベスト16)、天皇杯3度出場。18年ロシアワールドカップ(W杯)日本代表GK東口順昭(J1ガンバ大阪)やDF新井直人(J1アルビレックス新潟)らプロ選手を輩出。男子バスケットボール部OBには元日本代表のSG今村佳太(B1琉球ゴールデンキングス)がいる。