ガンバ大阪一筋、プロ13年目の元日本代表DF藤春広輝(34)が試練のシーズンを送っている。

大体大から11年にG大阪入りした左サイドバックは、今季は開幕からリーグ戦8試合、ルヴァン杯3試合の公式戦計11試合で1度も出場がない。ベンチ入りもルヴァン杯の2試合のみ。

17日の練習後、取材に応じた藤春は「試合に出る準備はできている。出たらしっかりやるだけ」と、努めて前向きに話した。

J1通算269試合8得点、J2通算42試合4得点、国際Aマッチ3試合の出場歴を持つ。16年リオデジャネイロ五輪代表にはオーバーエージ枠で入った。

無尽蔵のスタミナとスピードが武器だ。リーグ戦で最も出番が少なかったのは、1年目の11試合。次いで19年の17試合、昨年の18試合。1年目から活躍を続けてきた大黒柱だが、近年はDF黒川圭介(26)との併用となり、就任1年目のポヤトス監督は黒川を使い続ける。

11月に35歳を迎える大ベテランは「リーグ戦は勝ててない(開幕1勝3分け4敗で16位)ので、メンバーを替えるのは難しいし、仕方ないと思っている」とベンチワークに理解を示す一方で、「サッカー選手は試合に出て、なんぼ。下を向かずにやっている」と表情は明るい。

19日はルヴァン杯1次リーグのFC東京戦。その後に中3日で横浜FCとのリーグ戦が控えており、指揮官は東京戦で何人かの先発の入れ替えを行う意向を示している。そこで今季初出場を果たせるか。

「ルヴァン杯は若手、ベテランが融合して、全員で勝ち抜く大会。(トーナメントになれば)一発勝負で、リーグ戦よりはタイトルを取れるチャンスがある。いつ出番が巡ってくるか分からない」と藤春。

ライバルの黒川には常にアドバイスを送り、後輩を支えてきた。チームのことを最優先してきた人格者でもある。14年のシーズン3冠に貢献した男は、G大阪のために努力を続ける。