藤枝東は5-1で清水ユースに大勝し、今季初勝利を挙げた。MF渡辺皐(3年)がCKを直接決めるなど、2得点1アシストの活躍。昨季までプレミアリーグに所属していた格上を撃破し、来週開幕の県総体に弾みをつけた。静岡学園2ndは3-1で海星(三重)に逆転勝ちし、3連勝で3位に浮上。浜松開誠館も4-0で刈谷(愛知)に快勝した。

   ◇   ◇   ◇

待ち望んだ1勝は勝ち点3以上の価値があった。開幕から5戦勝ちなし(1分け4敗)で迎えた藤枝東は前半から攻守で相手を圧倒。前線からの積極的なハイプレスからつないだセットプレーで先手を取った。同27分、MF渡辺の左CKからDF河西祐哉(3年)がヘディングで先制点。直後の追加点も大きかった。

2分後の29分。右CKを獲得すると、渡辺は狙っていた。「風も強かったし、曲げて蹴ればいけると思った」。左足で鋭く曲がるキックを入れると、そのままゴールに吸い込まれた。芸術的な直接CKで2点リード。後半4分にも強烈な左足ミドルでチーム3点目を挙げ「ずっと勝てていなかったので本当にうれしい」と白い歯を見せた。

悔しい敗戦が転機になった。前節のJFAアカデミー福島戦は1-5で大敗した。相手の強度の高いプレーに圧倒された。主将のDF野田隼太郎(3年)は「違いを見せつけられて意識も変わった」。敗戦後の練習から本番さながらの激しいぶつかり合いで調整。選手だけのミーティングも行い、気持ちを1つにした。鷲巣延圭監督も「今日は本当によく走って、最後まで戦えていた」と目を細めた。

リーグ戦は約1カ月半の中断期間に入り、チームは県総体に戦いの場を移す。渡辺は「インターハイに向けていい流れを作ることができた。もう1度気を引き締めて優勝を狙っていきたい」と力強かった。【神谷亮磨】

○…清水ユース 屈辱的な敗戦を喫した。前半の連続失点で意気消沈し、反撃の糸口すら見いだせなかった。U-17日本代表のMF矢田龍之介(2年)は前半45分間で途中交代。後半も相手の勢いを止められず、3失点した。さらに、試合後の練習試合でも藤枝東のBチームに前半だけで4失点。沢登正朗監督(53)は「今の実力だということに気づかなければいけない。恥ずかしいという気持ちがなければ今後も変われない」と叱咤(しった)した。