高円宮杯U-18県Aリーグ所属の清水東が、同プリンスリーグ東海所属の格上・藤枝明誠をPK戦の末に4-2で下し、2年ぶりの4強進出を決めた。GK村松桂匠(3年)が2本を止め、チームを勝利に導いた。静岡学園はFW神田奏真(3年)がハットトリックの活躍を見せ、4-1で浜名に快勝した。飛龍、清水桜が丘も勝利。準決勝は、28日に藤枝総合運動公園サッカー場で行われる。

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清水東GK村松桂が右手の拳を突き上げ、ほえた。1-1で突入したPK戦で相手の1人目、4人目のキックに鋭く反応。いずれも左に跳んで止めた。流れを呼び込むと、味方は4人が成功。最大の見せ場で輝きを放った守護神を中心に、歓喜の輪が広がった。

前回大会準優勝で、所属リーグでも格上の藤枝明誠を撃破。中部地区予選の準決勝・東海大静岡翔洋戦(PK4○2)でも、1本を止めていた村松桂は「翔洋戦で自信もついていた。今日も迷いはなかった」と胸を張った。新人戦まではベンチ外だった背番号「17」。2度のビッグセーブで、主役の座を射止めた。

“好アシスト”が生きた。チームで分析担当を務める福田新太(3年)が、事前に相手キッカーの傾向を伝達。1本目は、その情報を基に読み切った。村松桂が「1人目を止めて勢いに乗れた。すごく感謝している」と頭を下げれば、福田も「信頼してくれてありがたい」と声を弾ませた。

準決勝は、清水桜が丘との「清水ダービー」となった。今季は新人戦、Aリーグ、今大会の中部地区予選決勝と3度対戦して全敗。村松桂も、2戦計7失点を喫した難敵だ。それでも「次は無失点に抑えて勝利に貢献したい」と力強く誓った。準優勝に終わった2年前、あと1歩届かなかった全国総体まであと2勝。大舞台を目指すチームを最後尾で支える。【前田和哉】