川崎フロンターレ(川崎F)が28日、川崎市の等々力陸上競技場外広場で、レジェンドOBたちのセカンドライフに焦点を当てるドキュメンタリー動画と連動した企画「川崎OutBreakers」のイベントを行い、田中裕介氏と田中パウロ淳一が出席した。

OBたちがトークショーを展開。第2弾は、11年から14年に東京都1部に所属する「SHIBUYA CITY FC」スタッの田中裕介氏と、12年から13年3月まで所属し、現在はSNSなどで積極的に発信しながら関東1部の栃木シティでプレーする田中パウロ淳一による「ダブル田中ダブルCityトークショー」。

パウロはイベント参加OBで唯一の現役選手。明るいキャラクターを生かして、TikTok(ティックトック)やYouTube、SNSを駆使して情報を発信し、サッカーファン以外の層からの認知度も高い。「栃木シティでJリーグを目指しています!」と力強く宣言した。

川崎F在籍時のファン感謝祭が記憶に残っているといい「僕は前に出されて一発芸しろって。つかみのあいさつでめちゃめちゃすべって(笑い)」と当時からそのキャラクターを生かしていた。

13年にクラブを離れたが、外から見た印象として「イベントの多さ。他のチームと明らかに違う。こういうところからまとまっている感じがすごい」と語った。

裕介氏は、22年に「SHIBUYA-」でプレーし、同シーズン限りで現役引退すると、チームを運営する「PLAYNEW」の執行役員に就いた。「上(J1)から7番目のカテゴリーにある渋谷のチームでチームのマネジメントをやっています。練習場を確保したり、練習試合の相手を探したり、監督や選手が何かあったときはマネジャーみたいなこともやったり」と仕事内容を明かした。

クラブを離れてからも川崎Fとの交流は続いているという。3月にオープンしたクラブの新施設「フロンタウン生田」で、毎週土曜午前に練習をしているほか「SHIBUYA-」の社員に川崎Fのサポーターやインターン経験者がおり「フロンターレの血が流れている」と力を込めた。

川崎F在籍時の思い出は、やはりファン感謝祭だという。中でも13年に披露した、当時流行っていた歌手レディー・ガガのモノマネをしたことは忘れられない。「ファン感でダンスを踊らせていただいた。これはやばい。見せられたもんじゃない。事故です。僕がやりたいといったわけではもちろんないです。曲名は覚えていない。とにかく出オチするやつで、出てやってくれって言われて…」。当時の写真も掲げられてファンからは歓声が上がった。

ピッチ内外の経験を糧に、さまざまな領域でOBが活躍を続けている。【佐藤成】

◆「川崎OutBreakers」…フロンターレOBの「今」に密着したドキュメンタリー映像をチームの公式YouTubeチャンネルで展開中。鄭大世氏、田中パウロ淳一、武岡優斗氏、田中裕介氏、小宮山尊信氏のセカンドライフに密着した動画を制作し、22日から順次公開される。川崎Fを退団後、さまざまな分野で「今」、活躍するOBたちの素顔に迫り、そのキャリアにスポットを当てる。