北海道コンサドーレ札幌がG大阪を4-0で下し、10試合ぶりの勝利を挙げた。タイ代表MFスパチョーク(25)が2戦連発となる2ゴールを決めた。来日2年目でリーグ戦での1試合複数得点は初めてで、2試合連続得点は2度目。母国から約50人が観戦に訪れた中でヒーローとなり、9戦未勝利だったチームを救った。

札幌は長いトンネルから抜けた先には、快勝が待っていた。待望の瞬間へ導いたのは、ほほ笑みの国からやって来たスパチョーク。サポーターから愛称の「チェック」コールを何度も受け、踊るゴールパフォーマンスや、タイ式あいさつの合掌で感謝を表現した。6月3日柏戦(5-4)以来、3カ月ぶりの勝ち点3。ホームでは5月19日京都戦(2-1)から遠ざかっていた。「勝利できてうれしい」と笑った。

素早い判断、決定力が光った。前半13分の先制点はFW小柏からパスを受けると、すぐさまペナルティーエリア手前左から右足を振り抜き、ゴール右へ突き刺した。前節8月26日川崎F戦(2-2)で決めた先制の右足ダイレクトボレーシュートは、本人も「びっくりして喜び方がわからなかった」という一発で、直後に棒立ちだったが、この日はFW菅や小柏の祝福を受けながら「ダンスしてみた」と、しっかり喜んだ。後半14分には相手GKからのこぼれ球を押し込み2点目。2本のシュートを外さず、捉えた。

心強い援軍を味方につけた。母国からメディア関係者やタイ政府スポーツ庁関係者、約50人がスタンドで観戦。「SUPACHOK」タオルや国旗がはためいていた。「集中できた」と、プレッシャーを力に変えて活躍した。

タイ代表活動のため、試合後にチームを一時離れて帰国。国際親善試合に出場する。試合後の取材対応中、通りかかったペトロビッチ監督(65)に「代表に行かないでしょ?」とジョークを言われる場面があった。6、10日のルヴァン杯準々決勝横浜戦は不在。勝ち上がりを目指す指揮官にとって、手放しがたいという本音が漏れた。2試合連続先発で主力の座をつかみつつある背番号49は、「毎試合チャンスがあれば貢献したい気持ち」。才能を発揮し、めきめき存在感を示している。【保坂果那】