リーグ優勝の可能性が消滅した浦和レッズは15日、ホーム最終戦となるアビスパ福岡戦(25日、埼玉スタジアム)に向け、練習を再開した。

12日のヴィッセル神戸戦は、1-1の後半アディショナルタイムに浦和のセットプレーでGK西川が前線に上がり、逆に神戸のカウンターを受け失点した。神戸FW大迫勇也のロングシュートを、最後まで諦めずにゴール前まで戻ってクリアしようとしたのが、浦和MF大久保智明(25)だった。無情にゴールに吸い込まれるボールを、倒れ込みながら見送ることしか出来なかった。

大久保は「オフの期間、サッカーから離れることはできましたが、ふとした時、神戸戦が何回も出てきた。特に2失点目。失点する前に、ハンドとかファウルで試合を止めることができなかったか…。オフ期間もずっと考えていた」。2日間のオフも、神戸戦のことが頭によぎっていた。

最後、ゴール前まで戻ったことに「僕らが諦めたら、見ている人に何も残らない。まだ終わってなかったから」と毅然(きぜん)と話した。「最初は、届くかなと思ったけど、スピードと、ワンバウンドした時点でスリッピーなので…。絶対にアウトになると分かっているのにヘッドスライディングする高校球児みたいな。あの後、倒れ込みましたけど、すぐにボールを取って再開させれば良かった」と後悔も口にした。

アジア・チャンピオンズリーグは優勝し、ルヴァン杯は準優勝。リーグは3位とうれしさと悔しさが混じるシーズンだった。だが、リーグ戦は2試合残っている。大久保は「監督も、何カ月も前から、終わり方が大事と言っていた。今年を象徴する一致団結で、ラスト2試合勝って3位を狙いたい。サッカーで得たストレスはサッカーでしか発散できないので。もう一度サッカーは楽しいと思い出してやれば」いいかなと、ルヴァン杯で敗れた福岡へのリベンジを掲げた。