3位藤枝明誠が4-1で2位清水ユースとの直接対決を制し、逆転でのプレミアリーグ参入戦出場に望みをつないだ。前半1分に先制されるも、FW林賢人(3年)の2得点で逆転。後半も突き放し、ライバルとの勝ち点差を「1」に縮めた。この日優勝を決めた首位JFAアカデミー福島は今季限りでの活動終了が決まっているため、プレミアリーグ参入戦出場権となる2位の座を懸けた残り2戦は、清水ユースと藤枝明誠の一騎打ちとなった。

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藤枝明誠が参入戦出場枠を争うライバルに待ったをかけた。前半1分に失点。課題の立ち上がりを狙われたが、焦らなかった。主将のDF青木壮太(3年)は「後ろは集中できていたし、早い時間に追いついてくれた」。同5分にFW林が同点弾。試合を振りだしに戻すと、前半でひっくり返した。同41分に相手のミスを奪ったカウンターから林が勝ち越し点。2得点のヒーローは「今日は絶対に決めてやろうと思っていた」と胸を張った。

3年ぶりの優勝を狙った県選手権は準々決勝で浜名に惜敗。同校のエースナンバー「9」をつける林も無得点のまま大会を終え、1人責任を感じていた。「最近の練習でもあまり調子がよくなかった」。気持ちを切り替えて臨んだこの日はくすぶっていた思いを晴らす2得点。普段は手厳しい松本安司監督(54)も「今日は林さまさま。よくやってくれた」と手放しでたたえた。

後半もFWキング栄志(2年)とMF杉本兼透(3年)のゴールでリードを広げた。負ければ「終戦」だった一戦で鮮やかな逆転勝ち。清水ユースとの勝ち点差を「1」に縮め、残り2試合を迎える。次戦は首位のJFAアカデミー福島が相手。林は「目の前の試合に集中したい」と一戦必勝を誓った。連勝締めで天命を待つ。【神谷亮磨】

○…清水ユースは手痛い逆転負けを喫した。勝てば無条件で参入戦出場が決まっていたゲームを落とし、連勝は「8」でストップ。開始1分に挙げたFW田中侍賢(じげん、3年)の先制点も空砲に終わった。今月12日にはトップチームが水戸戦と引き分け、最終節でJ1自動昇格を逃していた。「勝てば」の一戦で弟分も本来の実力を発揮できず、勝負弱さを露呈した形だ。それでも、残り2試合で連勝すれば自力で目標を達成できる。沢登正朗監督(53)は「気持ちを切り替えてやるだけ」と強調した。