またしても、PKに泣いた。静岡学園はPK戦の末、3-4で広島国際学院に惜敗。1点を追う後半15分にMF庄大空(はるく、3年)の個人技でネットを揺らし、1度は試合を振りだしに戻した。だが、PK戦ではJ2徳島入り内定のMF高田優(3年)を含む、2人が失敗。4年ぶりの全国制覇とはならず、県勢は4年連続でPK戦での敗退となった。

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無念の敗戦だった。勝利した相手が歓喜する横で、静岡学園の選手たちはピッチに座り込んだ。試合内容で圧倒しながらも、PKで敗退。勝者と敗者の残酷なコントラストがピッチに広がった。川口修監督(50)は「PKになった時点で我々の攻撃力が足りなかったということ」。潔く敗戦を受け入れ、全力を尽くした選手をねぎらった。

前半からボールを保持して試合を掌握。同25分にはDF水野朔(3年)がクロスバー直撃のシュートを放ち、31分には庄が相手GKをかわす決定機まで作った。何度もゴールに迫り、相手の堅守に阻まれる。不穏な空気が漂うと、一瞬の隙を突かれた。

後半9分にカウンターから先制点を許した。DF野田裕人(2年)は「攻めている時のリスク管理が甘かった」。同15分、ドリブル突破からMF庄が左足でループシュート。試合を振りだしに戻したが、あと1点が遠かった。PK戦では先攻の1本目でMF高田が失敗。3人目のDF井口晴斗(3年)もクロスバーに嫌われた。主将のGK中村圭佑(3年)は「あと2本ぐらい止める実力が僕になかっただけ」。1本の好セーブも勝利につながらず、悔しさをにじませた。

全国選手権は通算14回目の出場で、PK戦での敗退は今回が7度目。県勢代表校も4年連続での「PK負け」となった。指揮官は「こじ開けるのは簡単ではない。それでも静学のスタイルを貫いてもっと精進していくしかない」と前を向いた。終わりは、始まりの合図。またしても繰り返された悔しい敗戦がチームを強くする糧になる。【神谷亮磨】

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