初出場の名古屋が、過去5度優勝の強豪・市船橋(千葉)に競り負け、ベスト8で敗退した。80年度の第59回大会、岡崎城西以来となる愛知県勢のベスト4はならなかった。

見せ場をつくったのは、今大会で有名になったロングスローのDF月岡陸斗(3年)。1点を追う前半終了間際、右から月岡がロングスローをゴール前に届け、相手がヘッドでクリアしようとしたが、オウンゴールになり、価値ある同点劇を演出した。

「それは自信を持ってやってきたこと。仲間が(ゴール前に)入ってきてくれた結果、ゴールが生まれた。実質3アシスト目なのでよかった」と月岡。日章学園(宮崎)との1回戦、前回王者・岡山学芸館との3回戦に続き、またも自らの武器で得点を演出した。

再び1点を追う後半終了間際にも、敵陣のハーフウエーラインに近い位置から超ロングスローにトライ。結果的に得点にはならなかったが、名古屋の最大の武器であることを示した。

月岡は「(開会式を行った)国立に戻りたかったなというのはあるが、それは後輩に託したい。自分がやれることはやった。正直、ここまで来られるとは思わなかった」と胸を張る。卒業後は南山大に進学予定という。

市船橋のFW郡司璃来(3年)に勝ち越し点を与えたことには、月岡は「(一瞬のスキを)逃さないのがスーパーな選手。あれは悔しい」とも振り返った。

進学校でも有名な名古屋を全国ベスト8に導いた、就任9年目の山田武久監督(48)は「超強豪の市船橋に、どこまでやれるかというところで、選手もコーチもよく頑張ってくれた。負けたが、堅守速攻でいくつかの場面もつくれたし、得意のロングスローから1点を取ることもできた。選手をたたえたい」。

3年生部員の一部は今月、大学入学共通テストを受験する予定だ。

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