能登半島地震が起きた石川県を拠点にするJ3ツエーゲン金沢が、15日からスタートさせた宮崎キャンプで、今季初の練習試合(30分×3本)に臨んだ。
結果は昨季のJ1で3位だったサンフレッチェ広島に、1-5と逆転負けを喫した。
1本目の終了間際に、DF山本義道(28)が先制ゴールを挙げたものの、2本目に3失点、3本目に2失点した。
クラブにとって、今季に懸ける思いは強い。
元日に石川県志賀町で最大の震度7、クラブが活動拠点にする金沢市では震度5強の強い揺れに見舞われた。選手やスタッフは無事だったが、県内の実家が被災するなど影響を受けた選手もいたという。
地震の影響で8日に金沢市内で予定した選手とサポーターによる、今季初めての交流イベントは中止になった。13日には選手が白山市のショッピングモールに立ち、「ONE HEART!石川」を合言葉に緊急支援募金活動を行った。
シーズンイン恒例の集合写真の撮影では、選手は右手で石川県の形を表現し、左手はファイトのポーズで「がんばろう石川」という思いを示したという。
在籍8年目を迎えたGK白井裕人(35)は、キャンプ前のクラブ公式YouTubeで「まだまだ厳しい避難所生活が続くと思いますが、みなさんで力を合わせて1人じゃないということを胸に誓って、僕たちもできることをします。石川県を、北陸を、元気にしていきたい」と、熱い思いを口にしていた。
昨季のJ2で最下位に低迷した金沢は、今季からJ3に降格。1年でのJ2復帰に向け、昨年途中までJ2仙台で指揮した伊藤彰監督(51)を招聘(しょうへい)し、選手ではG大阪を退団したFW塚元大(22)が加入。ブラジル人のFWマリソン(26)を期限付き移籍で獲得するなど、戦力を整えている。
今季から使用する新本拠地「金沢ゴーゴーカレースタジアム」は、北陸初のJリーグの規格を満たしたサッカースタジアムとしても注目されている。