北海道コンサドーレ札幌は20日、沖縄・金武町で沖縄県リーグ1部FCセリオーレとの練習試合(45分×2)を行い、13-2で勝利した。

前半25分、ガンバ大阪から期限付き移籍で3年半ぶりに復帰したFW鈴木武蔵(29)が先制ゴールを決めた。ペトロビッチ監督(66)から「トップは武蔵が加わった」と期待されているストライカーが、今季初実戦で上々のスタートを切った。

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札幌の今季チーム1号を、決めるべき人が決めた。1トップとしてゴール前でチャンスをうかがっていた鈴木が右シャドー(1・5列目)のMF小林からのパスに動き出し、左足でゴールに流し込んだ。前線の好連係で奪った先制点に「試合でいい形が出せて良かった」。赤黒の試合用ユニホーム姿も、プレーも、3年半チームを離れていたブランクを感じさせず、なじんでいた。

16日からスタートした沖縄キャンプで毎日実施したミニゲームでは、主力組の1トップで固定された。ペトロビッチ監督は、初日に3バック右や右サイドに誰を起用するかキャンプで見極める方針を示していたが、「トップは武蔵が加わった」と、同位置の鈴木については迷いがない様子だった。「その期待に応えられるように、攻撃でも守備でも練習から100%でやっていく」と受け止めて取り組む。

20年8月までの前回在籍時を思い出しながら、久しぶりの「やり慣れたミシャサッカー」の魅力を感じている。「(当時と)そこまで大きく変わらない。コンビネーション、連動するところ、攻撃的なところが楽しい」。「輝きを取り戻す」と決めて復帰した札幌で、楽しみながら再出発している。

新加入組だが、復帰選手としてチームを引っ張る立場と自覚する。宿舎での食事会場では、例年はいつも同じ座席、メンバーで食べることが多いが、今年はMF荒野らと率先して、毎日いろんな選手とコミュニケーションを取ることを意識している。

24日川崎フロンターレとの練習試合以降、Jリーグクラブとの実戦が開幕まで5試合組まれている。「クオリティーも強度も上がってくると思う。その中でどれだけ自分たちが攻撃できるか」。残り約1カ月でさらに仕上げていく。【保坂果那】

 

○…札幌U-18からトップチームに昇格したルーキーFW出間が、初実戦から4ゴールの大暴れだ。後半8、11、12分と、4分間に3得点のハットトリックを達成。さらに同29分に4点目を決めた。2種登録選手だった昨季すでに公式戦でゴールを決めている18歳は「まだ決められる部分が3つ4つあった。そこをしっかり決めていきたい」と貪欲だった。

 

○…福岡大から加入のルーキーDF岡田が、札幌での実戦初ゴールを決めた。3バックの左に入り、後半5分に利き足の左で得点した。練習中から積極的に攻撃への参加を意識しており「今日もチャンスがあったら前に行こうって思っていたので、その意識から生まれたゴールだったので良かった」と、うれしそうだった。