4強が出そろった。昨年覇者の浜名は4-0で磐田東に完勝。西部勢では初の大会連覇へあと2勝とした。静岡学園は1-0で常葉大橘に完封勝ち。藤枝東は6-1で富士市立に大勝し、浜松開誠館は1-0で藤枝明誠に競り勝った。決勝進出を懸けた準決勝2試合は、27日に沼津・愛鷹多目的競技場で行われる。

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静岡学園MF金野仁(2年)が、チームを4強へ導いた。0-0の前半19分。双子の弟・MF類(2年)からパスを受け、ペナルティーエリア内に進入する。「仕かけることだけを考えた」。持ち味のドリブルで反則を誘いPKを獲得すると、自ら冷静に決めた。

今大会はトップ下の位置で1、2回戦に先発したが、無得点と振るわず。東海大静岡翔洋との3回戦(2○0)ではベンチを温めた。同試合後、藤枝東と控え組同士で行った練習試合でアピール。この日、先発を勝ち取った。「悔しい思いをした分、今日はとにかく結果にこだわった」。思いの詰まった大会初得点は、貴重な決勝点となった。

埼玉県出身。2019年の全国選手権で優勝を飾った技巧派軍団に憧れ、類と一緒に静岡学園の門をたたいた。現チームの発足と同時に、そろってDチームからトップチームに“昇格”。「2人でレギュラーに定着して、活躍することが親への恩返しになる」と目標を掲げる。

準決勝では浜松開誠館と対戦。金野仁は「次も点を取って、チームを勝たせたい」と2戦連発に照準を向けた。定位置獲得を目指し、まだまだアピールを続けていく。【前田和哉】