3月に第1期(期間2年)の任期を終える、Jリーグ第6代の野々村芳和チェアマン(51)が続投することが24日、確実となった。26日に実施される役員指名報酬委員会と直後の臨時理事会で、さらに2年の2期目に入ることが内定する。元Jリーガーで初めて就任した22年3月以降、入場観客数をコロナ以前に近い数字に戻し、地方強化にも尽力。秋春制へのシーズン移行問題にも真摯(しんし)に向き合った活動が評価されたという。3月のJ社員総会と臨時理事会で承認されれば、最終決定となる。

野々村チェアマンの続投が、決まる。2年前、数々の問題を抱えた過渡期に就任。新型コロナウイルス感染拡大の影響で入場制限がかかり、さらには景気沈滞で経営に苦しむクラブが続出していた。加えて、シーズン制を特有の「春秋」から「秋春」へ移行する問題は長年の課題だった。それらを徐々にクリアしていったことは、大きな功績だ。

1つずつ、丁寧に向き合ってきた。比較的、経営難となるケースが多い地方クラブのための集客プロジェクトを組み、地元テレビ局などの協力を取りつけて宣伝番組を制作。観客増につなげた。そのかいあって、昨季の入場者数はコロナ前の99・3%まで回復した。

最難関はシーズン移行だった。過去にも議題に上がっては凍結されるなど、雪国問題や学期制とのずれ、スタジアム確保、各スポンサーへの理解が不可欠、など課題が山積。当初の反対クラブ数も半数以上あったが、一定の方向性が見えた後に反対するクラブへ自ら出向き、移行の必要性や支援策を丁寧に説明したのは野々村チェアマンだった。

その中で選手会、監督会やフットボール委員会から移行賛成の声が上がったため、Jリーグとしてもスタンスを固め、移行に向けた努力をする必要がある、と先月の理事会で決定した。

Jリーガー出身者として初の就任でもあり、話題も集めた。その続投か、新任の選出か、関係者によると既に半年以上も前から役員指名報酬委員会が複数回行われ、明日26日に最終回を迎える。同委員会で推薦され、直後に開かれる臨時理事会で半数以上の支持が得られれば2期目の続投が内定する。3月にはJリーグ社員総会が開かれ、全60クラブの投票で半数以上の票を獲得すれば続投が認められ、直後に開かれる臨時理事会で正式に承認される。