J2清水エスパルスとJ1ジュビロ磐田の「静岡ダービー」は清水に軍配が上がった。ともに1、2本目は現状の主力組が出場。1本目の21分に清水FW北川航也(27)が放ったシュートがMF西沢健太(27)の背中に当たり、先制点。この1点を組織的な守備で守り切った。3、4本目を含めた合計スコアは4-3で磐田が勝利した。

格上の宿敵相手に順調な仕上がりを見せつけた。清水は1本目の22分、FW北川が放った右足ミドルが西沢の背中に当たり、ゴールに吸い込まれた。ラッキーな1発だったが、ゴールにつながるまでの組み立てでは相手を翻弄(ほんろう)。左サイドから複数人が連動してつなぎ、ゴールまでつなげた。北川は「いい結果で終われたことはよかったと思う」とうなずいた。

収穫もあった。守備は90分間で無失点。ゴールを脅かされるピンチも少なく、連動した守備で相手を封じた。DF蓮川壮大(25)は「前からの連動とセットした時の区別はしっかりとできた」。4日のJ2山形との練習試合も主力組は無失点。2試合連続完封と強固な守備は構築されてきている。

キャンプ中には2部練習や走り込みも積極的に取り入れ、例年以上にハードなメニューをこなした。秋葉忠宏監督(48)は「苦しいことを一緒に乗り越えることで一体感も生まれる。充実したいいキャンプだった」と総括した。チームは2日間のオフを挟み、13日から練習を再開する予定。熊本との開幕戦に向けて総仕上げに入る。

昨季は開幕から7戦勝ちなしと出遅れたことが響き、J1昇格を果たせなかった。今季は開幕ダッシュを目標に掲げている。北川は「チャンスを確実にゴールにつなげる質を上げていく必要がある。開幕戦を勝つことだけ考えていい準備をしていきたい」と力を込めた。【神谷亮磨】

 

○…主力組は精彩を欠いた。1本目の25分、FWペイショット(28)が右足首を痛め、負傷退場。今季加入したブラジル人のエース候補を欠くと、その後は見せ場も作れなかった。3、4本目には新加入のMF平川怜(23)の2得点などで逆転。J1としての面目は保ったが、攻撃面での課題は残った。MF山田大記(35)は「1、2本目は0-1だったので悔しい。イメージの共有はまだまだ。開幕までにやっていかないといけない」と表情を引き締めた。