セレッソ大阪の24年パリ・オリンピック(五輪)世代、桃山学院大から入団した新人DF奥田勇斗(22)がプロ1年目の本格スタートを切った。

1月中旬からのタイ1次キャンプと、現在の宮崎2次キャンプで猛アピールしており、24日のJ1開幕FC東京戦(ヨドコウ)のベンチ入りも夢ではない。

奥田は世代を代表する右サイドバック(SB)で、巧みなゲームメークが持ち味。C大阪には同じ位置に、同じ桃山学院大出身で4学年差の日本代表DF毎熊晟矢(26)がおり、最高のお手本になっている。

1年前まで「大学では完全な入れ替わり」という先輩とは面識はなかったものの、コミュニケーション能力の高い奥田から先輩に話しかけ、質問攻めにもしている。

「毎熊君から実際に学べることが多い。僕のプレースタイルも(サイドから)中に入っていったり、共通する部分がある。見習っていきたい」

奥田は大学4年になった昨年4月、C大阪への24年シーズンの入団内定が早々と決定。同時に特別指定選手となり、ルヴァン杯1試合に出場。7月のパリ・サンジェルマン(SG)との国際親善試合にも途中出場できた。

U-22日本代表でもイングランド戦などを経験し、杭州アジア大会では準優勝に貢献した。大学、Jリーグ、代表での経験値は、4年前の毎熊を上回る。

「(23年は)JリーグやパリSG戦でプレー強度の高さを経験できたし、(プロ1年目を前に)いいスタートを切らせてもらった」

C大阪では毎熊だけでなく、札幌から完全移籍してきたMF田中駿汰(26)の存在も心強い。奥田と同じくG大阪の下部組織出身の田中は、同じ関西学生リーグの大体大を経て、代表級に育ち、同じ今季からピンク色のユニホームに袖を通している。

桃山学院大の卒業に必要な単位は、既に昨春の時点で取得している。今年3月中旬の卒業式には、「(J1の)リーグ戦が始まっているので、出席できるか分からない。出られないくらい活躍していればいい」と笑う。

カタールでのアジア杯に出場していた毎熊は、宮崎キャンプ中の9日に部分合流したばかり。

先輩が不在だった影響もあり、奥田は1月のチョンブリFC戦、2月のBGパトゥム・ユナイテッド(いずれもタイ1部)戦、宮崎での練習試合にも出場を続ける。昨季まで毎熊が付けた背番号16を担う奥田が、先輩と同じ出世街道を歩む。

◆奥田勇斗(おくだ・はやと)2001年(平13)4月21日、大阪府生まれ。G大阪ジュニアユース、ユースを経て桃山学院大へ。ユース時代の19年は2種登録でJ3リーグに出場し、8試合1得点。C大阪で特別指定された昨年は、5月24日のルヴァン杯1次リーグ東京戦に途中出場。174センチ、71キロ。

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