J3沼津が開幕戦を白星で飾った。ホームでJ2からの降格組・金沢を3-0で完封。後半10分にFW森夢真(22)が決めた先制点を皮切りに、チームは躍動。DF安在達弥(27)も自身初の2得点を記録するなど、快勝した。

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沼津がJ2昇格の目標に向けて、力強く第1歩を踏み出した。昨季までJ2だった金沢を本拠地に迎えたオープニングマッチ。雨、風、気温5・6度の寒さをも吹き飛ばす3発快勝を、駆けつけたサポーターに届けた。中山雅史監督(56)は「選手たちが非常によく戦ってくれた」。3年ぶりの白星発進となった。

FW森が口火を切った。後半10分。ドリブルから右足を振り抜き、ゴール左隅へ豪快に決めた。「ボールを持った時のプレーが強み。良さを出せたと思う」。指揮官も「勢いをつけ、安定感をもたらしたゴール。大きな仕事をやってくれた」と評価した先制点でチームも躍動する。同29分、同ロスタイムには安在がネットを揺らし、勝負あり。直後に歓喜の笛が鳴った。

昨季は32試合5得点だった森。高卒5年目の今季は「2桁得点」を目標に掲げる。今オフには、同学年のFWブラウンノア賢信(22)がJ2徳島に移籍した。「同学年が活躍してステップアップした。『自分も活躍する』という思いは強い。今季はチームを引っ張っていきたい」。その強い決意を、自身初となった開幕戦のピッチで示した。

主導権を握られた立ち上がり15分間を耐えた守備にも手応えが残ったチームは次節、ホームで鳥取と対戦する。森は「変わらず挑戦者として戦いたい」。中山監督も「まだ1試合。引き締めてやっていきたい」と言った。浮かれず、勝利を積み重ねていく。【前田和哉】