ジュビロ磐田が壮絶な打ち合いを制して、今季初勝利を挙げた。アウェーで川崎Fを5-4で撃破。一時は3点リードを追いつかれるも、FWジャーメイン良(28)の4得点などで打ち勝った。J1での勝利は2022年10月12日以来、506日ぶり。歴史に残る一戦を白星で飾った。

前半6分、小気味いいパスワークで左サイドを突破。逆サイドまで流れたクロスをDF植村洋斗(22)が受けると、切り返しから左足で逆サイドネットに突き刺した。早大から加入した大卒ルーキーのプロ初ゴールが今季のチーム1号。同18分には左クロスをFWジャーメイン良が頭で追加点。さらに29分にも左足で決め、3点リードを奪った。

相手はJ1屈指の戦力を誇る強敵。簡単には勝てなかった。前半に1失点し、後半10分にはセットプレーから再び失点。悪い流れを断ち切れず、14分には自陣左サイドを崩されて同点とされた。横内昭展監督(56)は「川崎は個々が強い」と警戒していたが、我慢の時間を耐えきれなかった。

それでも、攻め続けた。同35分にジャーメインが自ら獲得したPKを決めて、4-3。直後にPKで追いつかれたが、最後にドラマが待っていた。ロスタイムにジャーメインがこの日2度目のPKを沈め、シーソーゲームに決着をつけた。

プロ初の4得点を挙げたエースは「ゴール前で自分のところに転がってきたのでラッキー。強い相手に勝てたことは自信になった」と胸を張った。神戸との開幕戦は完敗。仕切り直しの一戦で意地の戦いを見せた磐田が、価値ある勝ち点3を手にした。