3日、モンテディオ山形は開幕2連勝を懸けてアウェーで栃木と対戦する。今季、いわきFCからモンテディオ山形に加入したFW有田稜(24)は、いわきがJ3優勝を果たした22年に17ゴールを挙げ「最優秀選手賞」「得点王」「ベストイレブン」と個人タイトルを独占。だが、J2に昇格した昨季はわずか3ゴールにとどまり、悔しいシーズンを過ごした。「得点王」を目標に掲げる有田に今季に懸ける思いや意気込みを聞いた。

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数多くの中から移籍先に選んだのは、最初に接触があった山形だった。「お話をいただいた瞬間、即決だった」と挑戦を決意。J3優勝に大きく貢献した一昨季とは違い、昨季は「全てにおいてクオリティーが高かった」とJ2のレベルの高さを痛感。「今季、結果を出さないと『J3だけか…』と思われるので、自分にとっても勝負の年」と覚悟を示した。

いわきのプレースタイルの「走り続けるサッカー」から変わり、新たなスタイルに不慣れな有田に渡辺晋監督(50)は寄り添った。「なべさん(渡辺監督)はいわきでの癖が抜けない自分を肯定してくれるだけではなく、新たなアイデアやアドバイスをくれるので、引き出しが増えている」と感謝した。4年間を過ごした国士舘大もいわき同様のプレースタイル。「これまでは同じスタイルだったので、初めてサッカーの深い部分まで学んでいるようで楽しいし、成長の幅が大きい」と進化の一途をたどっている最中だ。

新天地で迎える今季の目標に「『最低2桁得点』。でも、やるからにはてっぺんを取りたいので『得点王』を目指します」と誓った。2月25日千葉との開幕戦では出場はなかったが、「モンテブルー」のユニホームに身を包み、有田の足が勝利へ導く日はすぐそこだ。サポーターの応援も心待ちにする有田。これまでは脅威となっていた声援が心強い味方となる。「山形の応援の熱量が本当に楽しみ。その声援で苦しい時に『あと1歩出る』『スプリント回数が増える』ことにつながるので、結果で恩返ししたい」と意気込んだ。「リーグ優勝」と「得点王」。22年シーズン、いわきで成し遂げた最高の幕切れを山形で再び実現させる。【木村有優】