コンサドーレ札幌がクラブ史上初の屈辱を喫した。

札幌ドームで迎えた浦和との今季ホーム開幕戦は0-1で敗れ、2連敗を喫した。開幕から3戦無得点はJ2時代の11年以来13年ぶりで、J1では初めて。前半31分にCKから先制を許し、今季初先発でフル出場した最前線のFW鈴木武蔵(30)はシュート0本に封じられた。順位は20チーム中19位のまま、降格圏から抜け出せない。

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開幕からアウェー2連戦で「0」が続いた札幌は、今季初の本拠地試合でも相手ゴールをこじ開けられなかった。試合後、ベンチ前で選手、スタッフが集まり円陣を組んだ。ペトロビッチ監督(66)は前向きな言葉をかけ続けた。珍しい光景だ。主将のMF荒野は指揮官からのメッセージを「戦っているし、いい試合はしている。続けるしかない。下を向いてる暇はない」と明かした。我慢強く、継続することが大事と共有された。

開幕からノーゴールが続く3試合は、すべて前線の先発の顔ぶれが違う。この日は負傷明けのFW鈴木が初先発。13得点を挙げた19年以来5季ぶりに、札幌の選手として札幌ドームのピッチに立ったが、シュートを放つ機会もなかった。「もう少しアイデアや個人で打開できないと難しい。打てるシーンがなかった」と反省した。前半10分にMF浅野から鈴木と崩し、MFスパチョークが放ったシュートは惜しくも上へ外れたが、それ以外、絶好機はほぼなかった。

福岡との開幕戦前日練習でGK高木が負傷。さらに開幕戦でMF宮沢と近藤が負傷して鳥栖戦から欠場すると、今節前にGK菅野も離脱した。毎試合、先発候補選手が離脱するアクシデントが続いている。次節は16日に今季初めてJ1に昇格した町田とホームで対戦。オフ明けの12日からキャンプ地ではなく、札幌での練習を開始する。荒野は「はい上がっていくしかない」と気合を入れる。まずは待望のゴールから勝ち点3へ突き進む。【保坂果那】

▽2試合連続完封負けを喫した札幌ペトロビッチ監督 攻撃に関してはラストパス、シュートの精度で、いくつかまだまだ足りない部分があった。

◆開幕から3試合以上連続無得点 J1では00年鳥栖の5試合が最長。4試合は94年名古屋、12年鹿島、14年徳島、21年G大阪の4度あり、3試合は99年市原、07年甲府、19年鳥栖、24年名古屋と札幌。札幌はJ1では初だが、J2では11年に愛媛戦(0●2)、湘南戦(0●1)、東京戦(0△0)がある。

○…ルーキーコンビがホームデビューした。後半26分、明大から加入のMF田中克と名古屋高から加入のMF原が投入された。初めての札幌ドームでのプレーを終え、セットプレーでキッカーを務めた田中克は「すごくいい雰囲気を作ってもらっていたにも関わらず、勝利できなかったのが悔しい」。サイドで積極的に仕掛けた原は「(相手を)はがす場面はあったけど…」と反省していた。

○…GK阿波加がプロ12年目で札幌の下部組織出身のキーパーとしては初のJ1出場を果たした。Jリーグ戦出場はJ2時代の16年以来。GK高木、菅野が負傷して、出番がやって来た。無我夢中での90分は「覚えていない。緊張したけど、楽しんでできたので良かった」。セットプレーから先制点を許したが、最少失点に抑えた。