清水エスパルスが会心の勝利を収めた。2-0で大分に完勝。前半、MF宮本航汰(27)のリーグ戦では5シーズンぶりとなるゴールで先制すると、後半にDF山原怜音(24)が強烈な右足ミドルで追加点を挙げた。藤枝は0-1で岡山に屈し、ルヴァン杯を含めて公式戦4連敗。J1磐田は1-2でG大阪に敗れ、今季初の連敗となった。J3沼津は1-0で北九州に競り勝った。

 

4失点を喫した前節長崎戦の大敗を帳消しにする快勝だった。清水は攻守で圧倒し、今季2度目の完封勝ち。ホーム2連勝を飾った。13本のシュートを放ち、許したシュートは90分間でわずか2本。連動した守備で主導権を握り、効果的にゴールを射止めた。秋葉忠宏監督(48)も「攻守がかみ合ったいい勝ち方。素晴らしいゲームを見せてくれた」と手放しでたたえた。

下部組織出身の伏兵が均衡を破った。前半26分、右サイドから攻撃を展開。宮本はMF乾貴士(35)とのパス交換で崩し、混戦から右足でネットを揺らした。「(乾)貴士君とのワンツーが成立した時に何か生まれると思った」。リーグ戦での得点は岐阜在籍時の19年7月14日以来、1707日ぶり。プロ10年目で清水ではリーグ戦初ゴールとなり、「うれしかったですね」と感慨に浸った。

後半28分には山原が個人技で仕留めた。自陣からドリブル突破。中央に切り込むと、迷わず右足を振った。約20メートルの弾丸ミドルで追加点。「気持ちで押し込んだ」という1発で勝負を決定付けた。攻守の切り替えとリスク管理を徹底した守備は無失点。宮本も「今季の4試合で1番いい内容だった」と胸を張った。

前節の悔しい敗戦を教訓にし、ホームで再び勢いを取り戻した。ただの勝利ではなく、中3日で控える連戦に弾みをつける価値ある1勝。宮本は「負けて気づくようではだめ。浮かれることなくやっていきたい」とチームの思いを代弁した。【神谷亮磨】

 

○…プロ3年目のユース出身FW千葉寛汰(20)が清水でのリーグ戦デビューを飾った。後半32分から途中出場。ロスタイムにはカウンターから決定機を迎えるも、放った左足シュートは相手GKに止められた。アイスタは幼いころからあこがれていた舞台で「緊張はなく、楽しめた」。期限付き移籍していた徳島と今治で経験を積み、今季復帰。「次につながるプレーはできた」と次戦以降への手応えを口にした。