新潟レディース(L)はC大阪ヤンマーを1-0で破った。2試合ぶり勝利で、ホーム連勝を6に伸ばした。

前半34分、FW滝川結女(24)が先制となる決勝点を決めた。後半は押し込まれ、同22分にはGK平尾知佳(27)がペナルティーエリア内(PA)で相手を倒しファウルを取られたが、PKを右に跳んで防ぎ、無失点に抑えた。リーグ後半戦を白星発進させた新潟Lは5戦負けなし(4勝1分け)の勝ち点26で3位。27日の次戦(変則日程で第20節)は、敵地で2位三菱重工浦和と対戦する。

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背番号17と1を背負う2人のヒロインが、1452人のサポーターが詰めかけたホームスタジアムを2度、沸かせた。まずは背番号17の滝川。前半34分、左クロスのこぼれ球に反応すると、右足でゴールネットを揺らした。「とりあえず思いっきり打ちました。絶対に得点を取りたかった。いい位置に入り込めた」とホーム6連勝を呼び込んだ今季4得点目を喜んだ。

滝川は3トップの左で先発し、橋川和晃監督(52)の指示で試合序盤でMF杉田亜未(32)とポジションチェンジ。次々と中央のスペースでパスを引き出すと、素早い反転からのドリブル突破で好機を演出した。「(配置変更が)勝利の鍵になった」と橋川監督。滝川も「亜未さんと連係しながら互いの良さを出し、試合の中で柔軟に対応できた」と胸を張った。

次に本拠地を盛り上げたのは背番号1の平尾。1ー0の後半22分、自らのファウルでPKを献上したが、相手のキックを右に跳んでキャッチした。「自作自演です」と守護神は笑ったが、キッカーの助走角度、雰囲気からシュートコースを完全に読んだ。試合終了を告げるホイッスルが鳴った瞬間、「反省を込めて」とゴール前で腕立て伏せを10回してから、仲間とハイタッチで4試合連続無失点を喜んだ。

前節20日の千葉L戦(0-0)試合後、バスで移動したチームが新潟に戻ったのは21日の午前3時。中3日で迎えた今節まで満足のいく調整はできず、決してコンディションは万全ではなかったが、勝利への執念が選手たちの足を前に進めた。5連戦4試合目となる次戦は、勝ち点3差で追う三菱重工浦和との上位対決。中2日と準備期間は短いが、滝川は「次は大1番。体はしんどいが全員で勝ちにこだわる。自分自身も少ないチャンスを決めきりたい」。引き続き、チームに勝利をもたらしていく。【小林忠】

 

 

 

 

○…修徳高から新加入のFW那須野陽向(18)がプロデビューを飾った。後半33分からピッチに入り、がむしゃらにボールを追った。「流れを変えたかった。うまくいかなかったというのが正直な感想ですが、勝利と、ピッチに立てたことはうれしい」。1月の全日本高校女子選手権で得点王(4点)を獲得している次世代ストライカー候補は、「攻撃の部分が自分の持ち味。試合で長所を出し切れる選手になりたい」と話した。