右ひざ半月板の故障で離脱していた神戸の日本代表FW大久保嘉人(25)が、26日のW杯アジア3次予選バーレーン戦(アウェー)出場に向け、大きく前進した。10日、神戸の練習に約1カ月ぶりに合流し、復調ぶりをアピール。この日、日本協会を訪れた日本代表岡田武史監督(51)も大久保への期待感をにじませるなど、待望のエース復帰となる。15日川崎F戦(ホムスタ)で実戦復帰し、バーレーン戦へと向かう予定通りの計画で、大久保が戻ってくる。

 満を持して頼れるエースが帰ってくる。この日、約1カ月ぶりに神戸の練習に合流した大久保の動きは軽快だった。ミニゲームなど約1時間半のメニューの最後には、シュート練習も行った。鋭くダッシュし、痛めていた右足を振り抜く。強烈な弾道がネットを揺らした。「普通にできたから大丈夫じゃないかな。今日の練習ぐらいなら問題なくできるよ」。自然と笑みがこぼれた。

 1ゴールを決めた2月6日のW杯アジア3次予選タイ戦後に右ひざ半月板の手術を受けた。8日のJ1開幕東京戦を回避して、15日川崎F戦→バーレーン戦と向かう計画は予定どおり。実際にこの日の動きで不安は消えた。代表招集について「どうなるやろね。オレは何も聞いてない。聞いたとしても言えんしね」とニヤリ。バーレーン戦を見据えた復帰過程ついては「そういうことやね」とうなずいた。

 大久保の状態は、岡田監督も気にしている。この日、日本協会を訪問。大久保について「次の試合に出られるかどうかだけど、出たとしてもいきなりトップパフォーマンスになるかは分からない。激しい運動のあとに腫れが出たりすることもケアしないといけない」と話した。慎重な言葉の中にも期待の高さをにじませた。

 2月の東アジア選手権では、自ら仕掛けられる大久保の不在が一因で、優勝を逃した。左サイドバックの安田を2列目で起用する苦しい台所事情だった。代表発表は14日。岡田監督は12日午後7時開始のACLのG大阪-チョンブリ戦(万博)を視察する予定で、都合がつけば、午後2時からの神戸の練習を視察する可能性もある。大きな期待を背負い、大久保が完全復活する。【北村泰彦】