次世代の日本サッカーを背負う3人が、魅惑のトライアングルを結成する。06年U-17アジア選手権でMVPに輝いたC大阪のFW柿谷曜一朗(19)が26日の富山戦(富山)で、負傷したFWカイオ(21)に代わり、先発起用されることが23日、分かった。日本代表MF香川真司(20)、MF乾貴士(20)の3人そろっては初先発で、攻撃的布陣を組む。いずれも将来の日本の中心選手に期待される「IKKトリオ」の破壊力に注目だ。

 主戦FWの離脱という危機から、魅惑のトライアングルが誕生する。19日札幌戦で負傷したカイオの「全治4~6週間」という診断結果が判明。これを受けてクルピ監督は、代役に柿谷の起用を決断した。

 この日の試合形式の練習で、カイオの位置に柿谷が入り、香川、乾の3人が前線でコンビを組んだ。この「IKK」布陣が26日富山戦の先発になる。クルピ監督は「カイオを試合から外すのかを含めて明日(24日)最終的に決めるが、曜一朗(柿谷)が入って(チームに)スピードがあったね」と満足そうに話した。

 柿谷は4歳からC大阪のユースで育ち、06年に同クラブ最年少の16歳でプロ契約。同年のU-17アジア選手権優勝に貢献し、大会のMVPに選ばれた。世代屈指の技術を誇る。ただデビュー後は伸び悩み、香川、そして乾の活躍に押されて出場機会を失った。

 3人がそろってピッチに立つのは3試合あるが、先発では初。柿谷は「後ろに高い技術がある2人がいてくれるし、自分の仕事はきっちり点を取ることだと思います」と、2年ぶりのゴールを誓う。現在6得点でJ2得点ランク単独トップに立つ香川も「3人でコンビを組むのは本当に楽しみ。1人1人が攻守に高い意識を持ってやれば(チームの)結果につながると思います」と歓迎した。

 代表に定着してきた香川と代表を経験した乾。そこに遅れてきた天才・柿谷のエキスが加わる。C大阪にそろう3粒の宝石たちが並ぶことで、さらに豪華な輝きを放つ。【堀まどか】