<J1:神戸3-2浦和>◇第24節◇29日◇ホムスタ

 浦和が2-3で神戸に敗れ、95年第2ステージ以来の同一シーズン7連敗を喫した。開始16秒で先制を許し、同29分にも追加点を奪われた。1-2で迎えた後半12分にはFW高原がゴールを決めて追いついたが、その4分後に失点。最後は突き放され、9位まで転落した。

 勝てなかった。また勝てなかった。「Jのお荷物」とやゆされたころの95年以来14年ぶりとなる屈辱のリーグ7連敗。試合後、ゴール裏から起こった拍手が痛々しかった。

 キックオフ直後、自陣で回そうとしたボールを奪われ、試合開始から16秒で失点した。フィンケ監督が「プロとしてはあってはいけない」と表現したミスでつまずくと、前半29分には中盤でボールを奪われて再び失点。出場停止で闘莉王を欠いた守備陣は注意力が散漫で、相手に対するプレスは弱い。DF平川は「失点をして追いかける展開になると、体力も使ってしまう」と肩を落とした。

 6連敗中は前線の連動性を欠き、ペナルティーエリア付近でボールを待つ場面が多い。連敗中では初めて流れの中からゴールを奪ったが、効果的なパスはほとんどなし。中盤まで下がってボールを受けてから再び前に上がる動きで、リズムを作り出そうとしたFW高原は「足元でボールを持ちたがる選手が多いが、それじゃ点は取れない。裏を取るなりしないといけない」と嘆いた。

 フィンケ監督は「ゲームスタイルを大きく変える必要はない。選手を褒めてあげたい」と、攻撃面については及第点を与えているが、とにかく結果が出ない。試合後、信藤チームダイレクターは「スタイルはどんなに結果が出なくても変えない。(結果を出すために)できる方法もあるけど」と、目先の結果にこだわらず、フィンケ監督とともに「パスサッカー」を貫き通す決意を示したが、多くのサポーターの支持を受ける「ビッグチーム」(神戸三浦監督)だけに、勝たなければ説得力には乏しい。

 13日の山形戦までは約2週間。故障者が続出している中、果たして立て直すことはできるだろうか。