コンサドーレ札幌のMFダニルソン(23)が、今オフ他クラブに移籍した場合の違約金が、約4億円に設定されていることが26日、分かった。超人的身体能力を持つコロンビア人ボランチを、継続して来季もチームの柱に添える方針。クラブでは昨季名古屋に移籍したFWダビの3億円を超える違約金をかけJ1クラブなどの強奪から守る。

 札幌が、異例のリスクマネジメントで超人ボランチ流出を阻止する。矢萩竹美社長(59)は「ダニルソンは大事な選手。ダビのときよりも高額に(違約金を)設定している」と明かした。ダビが名古屋移籍の際に発生した違約金は3億円。同社長は、それをしのぐ違約金をダニルソンにかけていることを示唆した。

 既に昇格が消滅し、来季のチームづくりが始まっている。中でもダニルソン残留は最優先事項。もし今オフ他クラブに強奪された場合の対応も万全に整えられていた。設定された違約金は来季トップチーム総人件費とほぼ同額の4億円。J選手流出が続く資金力のある中東クラブはJ1での活躍を指標に触手を伸ばす傾向にあり、現実的脅威ではない。国内クラブも、J1未経験者に同等の資金を投入して補強に動く可能性は極めて低く、札幌が設定した違約金が歯止めとなり、ダニルソンが来季チームに残ることは確実な状況だ。

 昨オフはダビ移籍にともない3億円の高額な移籍金が発生した。リーグ戦期間中の9月末に交渉のため一時チームを離れるなどトラブルもあったが、結果的にクラブ運営にはプラスとなった。それでも同様のケースが再発する可能性はゼロではない。資金力の乏しい札幌は、マネーゲームに敗れても流出後に最大のメリットが得られるよう手堅い策を練ったもようだ。

 ダニルソンについては石崎監督も「開幕時はミスばかりだったが、だいぶ良くなった」と成長を認めており、来季昇格の原動力となるのは間違いない。“4億円ブロック”が果たす意義は極めて大きい。