ぼやきが止まらない。木村和司新監督(51)率いる横浜が10日、キャンプ中の宮崎市内で京都と練習試合(主力組45分×2本、控え組45分×1本)を行った。1-1の引き分けに終わったが、同監督はベンチで135分間、「何でできないんかのう~」と終始ぼやき続けた。

 くさびの縦パスなどに連動し、周囲が勢いよく前に進む姿が同監督の理想型の1つ。ところがこの日、受け手を探した結果、ボールを後ろに下げた場面も多く同監督は何度も帽子を取って頭をかきむしった。そのたびに「はぁ~」とため息をつき「下げとるだけやないか」とぼやく。その後も「どんどんボールを動かさなきゃ」「そこはシュートでしょ」「何で前向けないのかねえ」とぼやきは続いた。試合終了後は「何でかねえ」と首をかしげて苦笑いしていた。

 主力組の無得点が続いたJ2勢(東京V、北九州)との練習試合に比べ、J1勢との初対戦で得点するなどプラス材料はあるが、現役時代に「攻撃の天才」と言われた同監督には「ボールを持つと慌て出す悪いクセが抜けてない。自分から追い込まれていく感じやね。選手も悶々(もんもん)としとる」と不満の残る内容だ。無得点のFW渡辺は「細かいミスが多かった」と反省しきり。宮崎キャンプは残り2日。同監督も「何とかせんとな」と自分に言い聞かせていた。【松田秀彦】