J2札幌からJ1新潟に期限付き移籍しているMF西大伍(23)が来季、完全移籍することが27日、濃厚となった。新潟では来季も引き続き期限付き移籍延長を打診したが、札幌側は違約金が入る完全移籍を要望。既にクラブ間で合意に至っており今後、金銭面の詰めを行い、週明けにも正式発表される。

 新潟は主力として活躍する西を手放さなかった。札幌側では「戻すことは厳しいが期限付き延長はしない」と強い姿勢を打ち出しており、両クラブ間で交渉の結果、完全移籍で合意した。札幌とは来季も契約が残っているため今後、違約金を含めた具体的な話し合いを行う。

 今季の西は開幕当初はサブメンバーながら、4月17日の名古屋戦から右サイドバックとして先発出場。この日の大宮戦は累積警告のため出場停止も、5月1日から前節11月23日の仙台戦まで24試合連続で先発するなどチームの核に成長した。5月8日の清水戦で初得点。新潟側もJ1残留に貢献したキーマンとして契約延長を強く希望していた。

 西は札幌出身で札幌U-15からの生え抜き選手。将来的には札幌に恩返しがしたいとの思いが強く、選手として札幌を離れるが、違約金という形で古巣を支えることになった。ユニホームスポンサー「ニトリ」の撤退などで予算が大幅削減されるクラブにとって、財源面で貴重なプラス要素になる半面、ユースから育てた選手の移籍というジレンマを抱えた苦渋の選択だった。