【グアム28日=永野高輔】今年もゴン“ゲキ場”が開演した。コンサドーレ札幌はキャンプ5日目に入り、連日の過酷な肉体改造プランに早くも選手の疲労度がマックスに達した。インターバル走ではMF高木純平(28)が両足をけいれんさせるなど、重い空気が流れたが、胃腸炎から回復したFW中山雅史(43)が一声でムードを一変させた。

 一瞬で空気を和ませる能力は、JリーグNO・1だ。元気を失った高木純を見ると「プルプルしたの?

 携帯かな。練習中だからね。バイブにしとかないとね」と、さりげなく突っ込んだ。厳しい体づくりの1次キャンプだからこそ、声を出して発散。大ベテランの思いやりとウイットに富んだ問い掛けで、青い顔をしていた高木純にも笑顔が戻った。

 グアム入りした日に患った胃腸炎を撃退し“ゴンディション”も急上昇だ。ランニングメニューを淡々とこなすFW上原には「余裕じゃ~ん」と、からかってみた。DF岩沼が勘違いして「余裕っすね~」と返事をすると、意表を突かれながらも「お前じゃないけど、お前は頑張ってる。やれてるね!やれてる」とプチゲキ。中山を中心に、けだるい空気は消えていった。

 今キャンプは昨季から5日間短縮され、密度は濃くなった。疲労の蓄積も早いが、岩沼は「ゴンさんの声を聞くと元気が出る」と話した。昨季キャンプ終盤では、GK佐藤が赤い練習着で横っ跳びする姿を見て「紅の何とかだ。飛んでるね。いいね。飛べなくなったらただの何とかになっちゃうよ」と笑わせ、疲労感を一掃。今季もゴンの声が滋養強壮の栄養剤となる。