J2札幌に18日、新主将をジャンケンで決めるという前代未聞のプランが浮上した。前主将のDF石川が新潟に移籍し、最有力候補だったGK高原も右アキレスけん断裂のため開幕戦には出られない。絶対的本命が不在の中、石崎信弘監督(52)はアイドルユニット「AKB48」で話題を呼んだ究極の選抜方法の実施を示唆。スタッフと担当記者の推薦、指揮官の絞り込みを経て、それでも決定困難な場合の最終手段として使う方針だ。

 「(主将は)ジャンケンで決めるのもいいかもしれんな」。石崎監督が奇抜な策を提案した。既にこの日までに、スタッフや記者の推薦でMF河合、高木純、古田、芳賀、FW中山の5人に絞った。最後は指揮官の判断に委ねられることになるが、それでも結論に至らない場合は古典的ながら極めて公平な“勝負”で決着をつける。

 河合は横浜で主将経験があり、適材だが加入1年目。高木純は攻撃の軸ながら、石崎監督は「主将というタイプではないのかな」と分析する。“王子”こと古田は19歳。芳賀は07、08年に経験したが、口数が少なく、背中で引っ張るタイプだ。中山の存在感は抜群だが、昨季は12試合と出場機会が少なかった。人間性、実績、立場ともに甲乙つけがたく、そこが悩みどころでもあった。

 全選手のジャンケンでは運のみが左右するが、事前に絞り込んでいるため問題はなさそう。人気、人望に加え、最後のバトルに勝ち残った強運の持ち主を主将に据え、J1昇格を引き寄せる。【永野高輔】